
必要ポイント:190pt
アルバム・レビュー
90’sヒップホップを思わせるクールな曲調で幕を開ける本作は、スモーキーな空気感とともにスタイリッシュなグルーヴを刻む。シンプルなループの中に芯のあるリズムが宿り、聴く者の首を自然と揺らす。だがこのトラックの真骨頂は中盤から。徐々に楽器が重なり合い、ギターや鍵盤、パーカッションが有機的に絡み合うことで、奥行きと高揚感を一気に引き上げる。クールな序章から心地よい混沌へと展開する構成は、まさに聴く旅。洗練されたlo-fiの中にも、濃厚な音楽愛が息づく極上の一曲。