大きな声では言えない事を歌にして届けるMEDICAL TEMPO。荒削りながら光る何かがある。聞き終わった後、そう思いました。by pancho

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音楽の「使い方」は人それぞれだ。気合いを入れるために聴くも良し。思い出に浸るために聴くも良し。Medical Tempoの音楽はCHILLな中に思想がある。

昨年、2020年はコロナの流行とともに始まった。中国武漢で発生したこのウイルスは、世界中の人々の生活を瞬く間に変えてしまった。外出にはマスクが必須。リモートでの勤務。外食や帰省を控えるよう要請されるなど、

コロナの流行によってあらゆる生活様式が一変した。もちろん、営業自粛要請などで、飲食店や小売業にも多くの経済的打撃がもたらされている。

そして、今も昔も、社会変化の影響を最も受けるのは、私たち「庶民」だ。コロナの影響で仕事を失ったり、周りの人とのコミュニケーションの方法が変わったり、私たちは大きな変化の渦中に今、放り込まれている。そしてその変化は、時にストレスフルに私たちを襲う。
そんな中で気づきを与えてくれるのは、きっと音楽だ。

Medeical TempoのアイリーなRiddimに身を任せ、目を閉じる。体の力を抜いて「CHILL」でもそれだけじゃない社会の矛盾、バビロンからの目覚め、どんな場所にいても、どんな時間でも音楽は私たちに気づきと啓蒙を与えてくれる。


02 Reggae rock walking

最近仲間と拳を交わしたのはいつだろう。

最近溢れる人波を感じたのはいつだろう。

2020年、コロナというウイルスは、わたしたちの生活様式をすっかり変えてしまった。消毒をしていない手で、ヤーマンはできないし、人が多く集まるイベントだって、ご法度になりつつある。

そんな中「そういえば、長くアイツに会ってないなあ。」と心に浮かぶ、「アイツ」がいる人も少なくないのではないだろうか。

「太陽の下で 光に誘われて」

「溢れる人の中でリズムに体を任せて」

ほんの2年前ほどのことなのに、もう懐かしい隣の人と肩がぶつかるくらいのパンパンな箱あのアイリーな空間に早く戻って、「アイツ」とヤーマンできたらなあ。

そんな妄想に浸りながら、今は音に身を委ねる。気持ちだけでもアイリーに。Reggae ROCK WALKINGを聴きながら。


03 Riddimに乗って

ONEDERは不思議なアーティストだ。

肩の力は抜けているけど、歌はうまい。

歌はうまいけど、肩の力が抜けている。

そう、彼は「素直」で「等身大」なアーティストだ。

「音楽に乗って、どこかへいけたら」と夢想した経験は誰しもにあるだろう。(ちなみにONEDERは2年のヒッチハイクで日本全国を回った経験がある)

「いいトシこいて、そんな夢物語バカバカしいよ」

「こちとら、毎日の現実を生きるので精一杯だ」

空想する事を否定するのは、簡単だ。

でも、大人にだって、自由に空想するじかんが必要なのだ。

たまには、こどもに戻ったって、いいじゃないか。

ONEDERの優しい歌声の「大丈夫」を素直に受け止めよう。

どんなにしんどい日だって、きっと新しい日が来るはずだから。


04 THCちゅうにゅう

昨今大麻の有用性が、世界中で研究されている。

名だたるトップアーティストたちが、大麻ビジネスに乗り出し、世は「一大大麻ムーブメント」の真っ只中だ。

日本でも、ウェルネスブームの波とともに、麻由来の成分、CBD関連の商品が様々な形で流通している。

一方、まだまだTHC自体は、日本では非合法かつご法度。

芸能人の大麻取締法違反の逮捕が大きく取り上げられるなど、大麻の有用性は認識されつつも違法薬物としてのイメージは未だに根強いのが現状である。

しかし、ほんとうに、大麻はそんなに悪いものだろうか。

ZAROOのゆったりした歌声からは、違法薬物のとしての危険さなど、微塵も感じない。

そもそもタイトルが「THCちゅうにゅう」と非常にユルい。

もちろんそのユルさが、この音楽の「肝」なのだが。

レゲエは「Rebel」ミュージックだ。しかし、レベルの方法は人それぞれ。

ブジュのように猛々しく歌う、ボブのように静かに語るなど、方法は十人十色、千差万別。

ZAROOの方法を評するとすれば、「懐に入り込み上手」だろうか。


05 Burning

レゲエで「燃やす」といえば魂と「アレ」しかない。そして MOJAHの声はアツイ。

語弊があることを承知で言うと

男臭い

しかしそもそもレゲエという音楽の魅力はその「男臭さ」にある

ブジュバンタンにケイプルトン

様々な男臭いアーティストがレゲエには存在する

渋いトースティングにオラオラの歌詞

甘い歌声もいいが

やっぱりレゲエは「男臭くてナンボ」なのだ

そんな「男臭い」MOJAHが燃やしているのは

魂だけではない

いや、むしろDeejayにはそれこそが魂かもしれない

今は日本では非合法だが

それを燃やすことは、すなわち魂を燃やすことなのかもしれない


06 Fake News

大麻という植物は、古来から日本人のそばにあった。

神道では、神の宿る神聖な植物として、注連縄に用いられ、その繊維を用いて布を織っていた。

しかし、第二次世界大戦後、GHQによって大麻の扱われ方は180度変化する。

大麻栽培の規制がなされ、日本古来からの、大麻文化は、敗戦とともに、すっかり「悪」となってしまった。

現在でも、大麻に関するFake Newsがいたるところに蔓延っている。

しかし、これだけ世界中で、大麻の有用性が叫ばれている中、大麻の効能を無視し続けることにも、もはや限界が来ているのではないだろうか。

名ばかりの先進国にならないためにも、私たちは、早く、気づくべきなのではないだろうか。


07 警鐘

それぞれに「Rebel」の方法があるとすれば、Keithのやり方は、「まっすぐ」だ。

彼の打ち鳴らす「警鐘」は、正論ど真ん中。

コロナに関する政府の対応の遅さ、二転三転する方針に、

「自分はこんなに、つまらない国に住んでしまっているのか。」

とがっかりした人も少なくないはずだ。

しかし、考えてみてほしい。

「つまらない国に住んでいる」のは事実かもしれないが、

「つまらない国にした」のは一体誰だろうか。

Keithはバビロンたちに警鐘を鳴らす。

洗脳をするな。自分たちを馬鹿にするのもほどほどに。

そして、バビロンに警鐘を鳴らすことは、とどのつまり、

自分たちに、警鐘を鳴らすことと同義だ。

日本は私たちが作っている。

バビロンをのさばらせたのも私たちだ。

これからどうしていくべきなのか。

襟を正して考え、行動しよう。

私たちが流されずに真実と向き合うことの大切さを、

Keithがまっすぐに教えてくれた。


09 肉眼では確認できないイカしたもの

「あん時こうしときゃよかった」

「後悔先にたたず」という言葉もあるように、

誰しもが、何かが終わった「後で」するものが、後悔というものだ。

この社会には

正しそうに見えて正しくないもの

正しくなさそうに見えて正しいものがある。

それらをきちんと見極めるためには

実際に動いて行動するしかない。

世の中には色んなヤツがいる。

色んなヤツと出会うことで、

自分が「どんなヤツ」かを

知ることができる。

自分をよく知るためには、

実際に動いて行動するしかない。

「あん時こうしときゃよかった」

と思うのは簡単だが、

今、行動することで、

未来の「あん時こうしときゃよかった」を

少しでも減らすことができる。

小さい小さい「現在の積み重ね」が

「未来」になるのだから。


10 7

ラッキーセブンという言葉もある通り、

「7」は縁起のいい数字だ。

コンビニはセブンイレブン

タバコはマイルドセブン

ほらやっぱり「7」は幸せの数字だ

素敵な日曜

コンビニに向かう

お釣りが777円でちょっとラッキー

草木も青々と 葉緑体も喜んでいる

まるで世界から祝福されているような

幸せというものは

「なる」ものではなく「気づく」ものだ

肩の力をふっと抜いたとき

そこにある小さな幸せに気づくことができる

案外それをラッキーセブンと呼ぶのかもしれない


11 鼻歌

トゥルルリリララララ

「予定」は「未定」など、

肩の力が自然と抜けるリリック、

おだやかなR-Manの歌声、

一聴すると、

休日の朝にぴったりのアイリーな曲だ。

だが、この曲の本当の聴きどころは

アイリーさの中の、

「図太さ」や「芯の強さ」だ。

「何を言われたって貫く力」

「失敗も肥やしにするさどんなもんだ」

本当に強い人は、おおらかだ。

本当に強い人は、人に優しい。

周りのことは気にせずに、

自分らしく進んで行く力強さが

この曲のキモなのだ。

「鼻ほじり」や「鼻歌」などの、

ほっこりとしたワードの中に隠れた強さに

元気をチャージして、

今日もさあ進もう


12 ユラリ

凪の時間 波打ち際 落ちていく夕日 そよぐ風

夏の終わりは

どうしてこうも切ないのだろう

太心は広島の尾道市因島出身のラッパーだ

美しい瀬戸内海に浮かぶ 

自然豊かな島

そんな場所で彼は育った

古い仲間 大切な家族 育った土地 いつもの音楽 

他に何も望むものなんてないのに、

なぜか胸が締め付けられる

静かな水面を眺めながら

ずっとこのままいれたら

ずっとこのまま

太心にはそれが因島である

太心に因島があるように

それぞれにそれぞれの原風景がある

「ありのままいられたら」

「このまま ゆらり」

このまま時間が止まってほしい

ずっとこのまま

ずっとずっと

ゆらりゆらり


13 slo down

Deejayのサバイブの方法は様々だ。

ベテランDeejay、Hibikillaなら、

静かに闘志を燃やす

人はどうしてこう欲深いのだろう

必要以上はいらないのに

誰かよりももっと得たい

時間もお金も 

もっともっともっと

父となった彼は

今は静かに闘志を燃やす

生き急ぐ必要もない

必要なものは得た

その上で

自らの志のためだけに 

ただ進む

大志をなすためには

時間が必要だ

「大器晩成」という言葉もあるように

一朝一夕で 

大志はなし得ない

焦らず腐らず冷静に

一歩一歩確実に

それがHibikillaの戦い方だ


14 M 

マリアとは、一体どんな女性なのだろう

美しく優しくすべてを包み込んでくれるような

聖母のような

きっとそんな

素敵な女性にちがいない。

しかし今どき

そんな完璧な女性に

お目にかかることもそうそう珍しい。

でも

そうだな

そんな「女性」じゃなくても

「植物」なら

一つ思い当たるものがある。

その「植物」は

私たちをリラックスさせてくれて

励ましてくれる。

ないと寂しいけれど

なくても頑張れる。

でもやっぱり

ないと恋しい

会いたくなる。

なんだ

そうか

それこそが

マリアだったんだ。


16 HIGH TIME

女性は神秘の生き物だ。

そのやわらかな肌の下に

とてつもない宇宙を秘めている。

怒ったり泣いたり笑ったり

豊かな感情の中に

とてつもないパワーを秘めている。

 古今東西

女性は芸術家たちの

インスピーレションの源泉だった。

ピカソ、ダリ、シャガール、クリムトなど

多くの芸術家たちには

ミューズが存在した。

音楽、絵画、文学。

その多くのモチーフが女性であるのも頷ける。

「woman give mi sweet sweet love」

「I miss crazy all day」

手に入れたかと思うと

するりとかわされ、

かわされたかと思うと

また腕の中に舞い戻ってくる

思い通りにならないところが

一段と愛おしい。

こんな熱帯夜は

彼女と朝まで過ごしたい

そんな夜に

こんなCHILLなMUSICはいかがだろう


17 森の住人

自然には

癒しの効果がある。

月、太陽、雨、雲、星、夕焼け

どれもなくてはならない大切なものだ。

「どう生きたか」も大事だが

「ただ生きる」ことがいちばん大事だ。

自然たちは、ありのまま、そのまま

だから「自然」なのだ。

月だって、太陽だって、青虫だって、

「どうあろう」なんて思っちゃいない。

ただ「あるがままにある」のだから。

「生きること ただそれだけ」

でいいじゃないか。

「生きている ただそれだけ」

がいいじゃないか。


18 ねれるときねときや

大人になると

褒められることが少なくなる

仕事だって、家事だって、育児だって

頑張って当たり前。

出来て当たり前。

でも、たまには

大人だって褒められたい。

大人だって休憩したい。

大人だって

「あかんたれ」になりたいのだ。

「あかんたれになっちゃだめだなんて誰が言ったんだい?」

確かに、あかんたれになっちゃいけないなんて

法律はない。

仕事だって、家事だって、育児だって

どれもどれもいっぱいいっぱい頑張ったら

しんどくなってしまうよ。

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