Text & Interview By タカネ 


兵庫県は尼崎のディージェイ、THUNDER&DEGITAL NINJAのEP『GRASS ROOTS』がリリースされた。

THUNDERの持ち味とも言える、コンシャスなメッセージとまっすぐな歌声。

常に音楽と真摯に向き合い、ひたむきに進んできた彼だからこそ歌えるメッセージがそこにはある。


IMG_0007_01.JPG -1.jpg
【THUNDER Profile】
日本レゲエ界の若手トップアーティスト
地元尼崎に拠点を置き、日々楽曲制作とライブ活動を行っている。
2003年(15歳)HIP HOPのMCとして大阪のアメリカ村でマイクを握り始める。
翌年レゲエアーティストに転向し、多くの名アーティストを育てた登竜門とも言える『yellow choice.com』で4年間下積みを重ね、
下積み時代から、レゲエの本場ジャマイカにも何度も渡り、本場の良さを追い求め続けている。
活動7年目の2011年(22歳)に自主制作で1stアルバム『雷音』をリリース。口コミが徐々に広がり累計4000枚が完売。
その後もアルバムをコンスタントに出し続け、2017年にはそれまでの活動をまとめたベストアルバム『とんだのベスト』をリリース7週間連続でレゲエアルバムランキング1位を記録した。
2021年には『GRASS ROOTS』を発売。今後のリリースからも目が離せない。
楽曲制作に留まらず主催イベントも勢力的に行っており
地元尼崎では2005年(17歳)から『尼爆』を主催。10年以上キープしていて現場好きの中では知らない人は居ないイベントとなった。
※現在も継続中 2016年からは地元尼崎でレゲエフェス『尼崎レゲエ祭』も主催、2019年には1500人を動員。地元にレゲエを根付かせている。
自主レーベルのみで楽曲/イベント共にここまで成功を収めているレゲエアーティストは彼以外には居ない。




●まず、今回のEP制作のきっかけはなんですか?

THUNDER:DEGITAL NINJAのスタジオによく行ってるんですけど、そこでこういうEPを作りたいという話から始まってやっているうちに曲が増えてって感じです。


●EPタイトルである『GRASS ROOTS』 はどういう思いで、つけられたんですか?

THUNDER:「GRASS ROOTS」って「根っこ」とか「思想の根源」っていう意味があるんです。自分には「ライオン」っていうファーストアルバムがあるんですけど、このEPはその時みたいな気持ちで作ったので、このタイトルになりました。EPの中には「初心」という曲も入っているし、「GRASS ROOTS」という響きも好きだしで、物事の根源という意味にがっつりはまっているなと思いますね。


●では、1曲ずつお話を伺っていきますね。まず「初心」という曲についてはどういうマインドで制作されたんですか?

THUNDER:自分の周りのディージェイたちも、もともとやってたスタイルから変わっていって、いろいろと悩むこともあるよなっていう話をプロデューサーとしたことがきっかけです。でも僕たちはレゲエを始めとするブラックミュージックが好きだし、それを大事にしていこうっていう話をしましたね。


●ちなみに、周りのディージェイさんの悩みってどういうものが多いんですか?

THUNDER:アーティストとして伸び悩んでいるということや、アーティストとしてののスタイルにもですかね。時代によって流行も変わるし、そういうものにいかに振り回されずに、でも新しいものは作りつつっていうところで、みんな悩むと思います。やっぱりこのジャンルっていろんな人に受けにくい部分があるので。だからといって受けやすくすればいいっていうものでもないというところが難しいですね。


●2曲目の「Hardway」はRUDEBWOY FACEさんとの共演ですが、どういう経緯で共演に至ったのですか?

THUNDER:これはオケを聴いて、最近の自分の不満を歌にしようと思って、なんとなく作り始めたんです。作っていくうちにいい感じになってきたので、フューチャリングを入れたほうが、面白くなりそうって思って、ルーボイくんを超える人はいないんじゃないかということで連絡をしました。


●次の「Deh Yah」という曲なのですが、タイトルの意味から教えてもらっていいですか?

THUNDER:「Deh Yah」というのは、「ここにおる」とかいう意味です。サビで「Everthing Deh Yah」って言ってるんですけど、「俺らの必要なものは全部ここ、パーティーにある」っていう意味の歌です。全部あるっていうだけの歌なんですけど(笑)。


●「Burn&Grow」はどういう曲ですか?

THUNDER:最近こういった感じのガンジャチューンを作っていなかったし、オケを聴いていいなと思ったので制作しました。この曲もフューチャリングを入れたほうが面白くなりそうだと思ったので、PERSIAくんに連絡したら、「OKやっとくよ。」という感じで、すんなり進んでいきましたね。


●なるほど。PERSIAさんはそういった曲も多いイメージですし、THUNDERさんも「薫る味はSWEET」という間違いないチューンを作っていますもんね。

次の「物語」はTHUNDERさんのディージェイとしての歩みを歌っている歌だと思うのですが、この曲を作られたきっかけみたいなものはありますか?

THUNDER:大阪のクラブでイベントがあった時に、シルバーキングさんと話をしていたんです。その時に「トンダー、そういえばYELLOW CHOICEのトシヤに世話になったんちゃうん?」ていう話になったんです。「それだけリスペクトしてるんやったら、歌で歌えばいいやん。」て言われて、「確かにそんな歌は作ったことなかったし、その人の名前を入れよう。」と思ったのがきっかけですね。


●そこから広がっていって、自分が影響を受けた人やお世話になった人の名前が羅列されているという風になっているんですね。

THUNDER:そうですね。自分が衝撃を受けた人の名前を勝手に入れちゃおうってなって(笑)。嫌に思ってる人もいるかもしれないですけど(笑)、僕の中ではその人たちにすごくクラったし、自分と同世代で、その人達にクラった人もたくさんいるんじゃないかと思いました。


●でも本当にビッグなサウンドやアーティストたちばかりで、私もついつい共感してしまいました。THUNDERさん世代にがっつり影響を与えた人たちだと思うので、共感する人は大勢いると思います。

EPの最後の曲は、は歌詞なしのリディムのみの曲なのですが、このリディムを最後に入れた意味をお聞かせいただけますか?

THUNDER:まず、アウトロとして最後に何か欲しいなと思いましたね。イントロでもよかったんですけど、「初心」という曲自体がイントロっぽい曲なので、アウトロを入れようとなりました。いいオケがないか探していたら、このAsamazume Riddimが出てきました。


●Asamazumeって聞きなれない言葉ですが、どう言った意味なのでしょうか?

THUNDER:アサマヅメっていうのは釣り用語で、朝方の釣れどきのことを指します。このEPを作るときに、釣りに行く車内で、音の確認をしてたので、「EPの最後に、ASAMAZUME Riddimなんて完璧やん。」と。最後ぼーっと黄昏れて終われる感じも、このEPにフィットしていると思いますね。


●なるほど。THUNDERさんは釣りもしますもんね。確かにピッタリです。

では、これからの活動について教えていただけますか?

THUNDER:後2、3曲制作して今年中にフルアルバムを出せたら出したいと思っています。アーティストとしては、楽しくやっている今の感じでやっていけたらと思っていますが、でもワンマンライブはしたいですね。それを成功できたらとは思っています。


●本当にコロナが早く収まって、自由にライブができる時が来てほしいですね。

では最後に、レゲエザイオン読者にメッセージをお願いします!!!

THUNDER:ちょっと面倒くさいかもしれないですけど、歌詞を見てもらって、パトワも含めて理解しながら聴いてもらえたら、尚更面白いかと思います。ライブで待ってます!

unnamed.png



2021/9/18 New Release

『Free up』

thumb.jpg

2021年5作目のシングルとなる本作は、コロナ禍に揺れる
世の中の状況へ一石を投じるRebel Music,
国民が感じている不満や社会への想いを心地いい
ReggaeのRiddimに乗せて歌ったメッセージソング。
制作には地元の盟友Jackey(EMPEROR)も参加。

Link Core

https://linkco.re/VVbUyDMn

Thunder Music(YouTube)

https://www.youtube.com/c/ThunderMusic_Reggae/featured