text by Puriya I Yuki
かつての良きゴアはもうなくなってしまったと言う人もいます。しかし、この地が人々を魅了し続けるのには理由があります。
インド中西部の海岸に位置するインド最小の州ゴアは、美しいビーチとポルトガル植民地時代の魅力を今に伝える街並みを誇る、インド有数のリゾート地です。
かつてはゴア・トランス、ヒッピー文化、バックパッカーの聖地として知られていたこの地域ですが、大規模なリゾート開発と再開発により、のんびりとした田園風景と静かなビーチは徐々に失われつつあります。

私も毎年訪れるたびに、かつて何もなかった場所にカジノが建ち、美しい高級ヴィラが立ち並ぶ光景を目にします。
ゴアの景観は確かに変化しています。しかし、この地に息づく自由な精神と活気に満ちた文化は、今もなお色褪せることなく息づいています。
ゴアを訪れるのに最適な時期は、11月から2月です。気候は驚くほど快適で、最高気温は摂氏33度前後。暑すぎず、湿度も高すぎず、過ごしやすい時期です。夜は肌寒くさえ感じることもあります。
ゴアはインドの中流階級に人気の休暇地で、他の州では味わえない自由を求めて多くの人々が訪れます。
インドにこれほど安全で美しい場所があることに、多くの旅行者が驚くほど治安は比較的良好で、インド料理はもちろんのこと、洗練されたガーデンカフェや多国籍レストランも数多くあります。カレーだけではなく、ゴアの多様な食文化の魅力です。
酒税が低いため、昼間でもビーチでお酒を飲む人をよく見かけます。宗教的にお酒が厳しいインドなのですが、こう行った意味でもゴアはフリーダムなのです。

そして、この自由奔放なゴアでは、日本ではあまり知られていない「ゴア・サンスプラッシュ」というアジア最大級のレゲエフェスティバルが、すでに、過去10年間毎年開催されています。

この2日間のイベントには、世界中から何千人もの熱狂的なレゲエファンが集まります。
- 1日目:ライブショーケース
- 2日目:ヘビーベース・デイ&サウンドシステム
ライブショーケースには、これまでMacka B・Luciano、AnthonyB、Jonny osborn 、Steel pulse、Hempress sativa サウンドシステム部門では、Channel one 、Zion train、OBF 、Iration steppas.Vibronics など、数多くのアーティストが出演しました。

レゲエグッズやフードの屋台、子供向けの遊び場など、家族連れにも最適な場所で、美しい夕日を眺めながら音楽を楽しむのに最高のロケーションです。
フェスティバルの前後1~2週間は、たくさんのプレパーティーとアフターパーティーが開催され、まさに「レゲエ音楽でお腹いっぱいの休日」を過ごすことができます。
筆者である私は、ゴアの雰囲気とフェスティバルの魅力にすっかり魅了され、可能な限り毎年参加しています。夏が始まる前からインド行きの航空券と長期滞在先の手配を始めるのは、私にとってすっかり恒例行事になっています。
「インドでレゲエ?」と聞いて驚く人もいるかもしれません。
しかし、インドのレゲエシーンは、1970年代のパンジャブMCの登場から1990年代のアパッチ・インディアンに至るまで、着実に拡大してきました。
インドにおけるジャマイカからのレゲエミュージックの普及は、この国の精神文化と深く結びついています。レゲエが歌う平和、精神性、共同体意識、そして自由といったメッセージは、古くから精神思想を大切にしてきたインドの価値観と共鳴するのです。
さらに、ゴアという場所もその普及に大きな影響を与えました。1960年代から70年代にかけて、世界中から自由を求めてヒッピーたちがゴアに集まり、音楽と精神文化を共有するコミュニティが誕生しました。
こうした背景の中で、レゲエとダブミュージックは徐々にこの地に根付き、現在のシーンへと発展していきました。


今、インドの新世代サウンドシステムクルーたちは、世界のサウンドシステム文化から影響を受けながら、独自のスタイルを築き始めています。高い技術力と柔軟な発想で、UKスタイルに匹敵するシステムをすべてハンドビルドで完成させました。
彼らは、イギリスのサウンドシステムの伝統を受け継ぎつつ、インド独自の感性を取り入れたシステムを構築しています。システム構築は主に、ヨーロッパから来たシステムビルダーやサウンドエンジニアによって主導されてきました。
こうした交流と学びを通して、シーンは徐々に発展してきました。
驚くべき事に現在、インドには6つの本格的なサウンドシステムが稼働しており、ゴアのビーチに響き渡る重低音は、ゆっくりとですが、しかし確実に新たな文化として広がりつつあります。
6つのサウンドシステム
- BFR (Delhi sultanate) sound system
- 10,000 Lions sound system
- Rasta yuga sound system
- Sawa jam sound system
- Ananda tandava sound system
- Monkey sound system
それぞれに、特性があるのですが、Ninja率いる10000 Lion sound system がリリースしたレコードがDub store で販売しているのを見たので 日本でもインドレゲエシーンの認知度が上がって来たのかな?とそこで私はサウンドシステム通なあなたにおすすめのシステムをピックアップしました。
Monkey sound system

正式ローンチ:2021年11月19日
ダクタ・ダブは、長年にわたりインドの音楽シーンに貢献してきたハイデラバード出身のベテランDJ兼ラジオパーソナリティです。彼の功績は、幅広い音楽的嗜好だけでなく、文化の変化に対する鋭い感覚にも基づいています。2016年の第1回ゴア・サンスプラッシュ以来、彼らはシステムの開発と準備を進めてきました。

ベテランセレクターのダクタ・ダブと、地元との強い繋がりを持つクルーが率いるモンキー・サウンドは、5ウェイ、14,000ワットのシステムです。ダクタ・ダブは、故郷ハイデラバードにレゲエ音楽を広めるという使命を胸に活動しています。その後10年間、彼はインド各地で毎月レジデンシー公演を行い、インドのサウンドシステム文化黎明期におけるパイオニアとして全国的な認知度を獲得しました。この緻密に構築された重厚でパワフルなシステムは、その規模を超越したサウンドを生み出します。
・ダクタの選曲は驚くほど多様で、レゲエだけでなく、日本の沖縄ダブまでも網羅しており、毎度彼の選曲には唸らされます。彼の功績は、幅広い音楽的興味だけでなく、文化の変化に対する鋭い感覚にも基づいています。人々を音の渦へと引き込みます。
現在、インド中南部のハイデラバードを拠点に、地域に根ざしたイベントで積極的にシステムを運用し、コミュニティや文化的・精神的なつながりを大切にしています。
Ananda Tandava Soundsystem

正式ローンチ:2023年3月24日
このクルーは、ゴアを拠点とするサウンドエンジニア兼ドラマーのDr. Selと、NZ selectorで構成されています。
- 6つのスクープの迫力の重低音が生み出すパワフルなベース
- 中低域のバランスの取れたサウンド
- Dr. Selによる卓越したマイクパフォーマンスとハイバイブレーション
Ananda Tandavaとは、シヴァ神の「至福の舞」を意味します。
サウンドシステムセッションの前には必ず神に祈りを捧げ、神聖な祝福が振動を通して空間の隅々まで満たされるように祈ります。深い信仰と精神的な繋がりを大切にし、サウンドシステム文化を通して愛、ポジティブさ、そして意識的なバイブレーションを広めることをミッションとしています。

サウンドシステムは、ただ聴くだけの音楽ではありません。それは、体で感じる音楽です。
力強い低音は骨や臓器に響き渡り、体の奥深くまで届き、心臓の鼓動や呼吸とシンクロする感覚を生み出します。そこには、単なるパーティーではなく、サウンドシステム文化に内在する深い精神性があります。
是非ゴアでオススメのサウンドを聞き比べて楽しんでいただきたいです。
ゴアへの旅は、夏のリゾート、休暇、そしてサウンドカルチャーが融合した魅力であなたを虜にするでしょう。ゴアはまだ「終わった」わけではありません。
更に進化し、成熟し続けています。
私はゴアでの個人ツアーを企画・運営しており、Goa Sunsplashの日本語担当窓口とブッキングも務めています。

イベントに関するご質問は、お気軽にお問い合わせください。
次回開催は2027年1月16. 17日に決定しました。
