“AZITO”という場所のこと

──続いて「A.Z.I.T.O feat. 775」についてお伺いします。AZITOというレーベルについて、あらためてどんな場所・意味を持っているのか教えてください。
HISATOMI:
僕にとってのAZITOは、ないとほんま困る存在です。コモリタカシがいなくなると困る、っていうのもそうやし、ただの“ファミリー”って言葉では足りないぐらいの関係。
例えば、コモリに何かあったらほんまに困る、みたいな。そういうレベルの存在です。

コモリタカシ:もともと1人で細々とやってたんです。所属アーティストがいるわけでもなくて、初期のVIGORMANやHEAD BADみたいな近くのアーティストとやってて。775もスタジオによく来てて、HISATOMI君も自然と出入りしてて。
当時は接点なかったんですけど、VIGORMANのアルバムを聴いてくれて、僕のことをディグってくれて。共通の知り合いから紹介されて、一緒にやるようになった感じです。

HISATOMI:当時は曲ごとに違うトラックメーカーにお願いしてたんやけど、その中の1曲をTAKA TEAにお願いして。それがきっかけでした。

コモリタカシ:僕も個人的にHISATOMI君のアルバムを自分で買って聴いてて、

HISATOMI:買ってたん?(笑)

コモリタカシ:そう。その時からすごい気持ちいい踏み方してると、リスナーとして思ってて。
そこから一緒にやるようになって、結構大きなって、だいぶ変わりました。ファミリーです。


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HISATOMI:そうですね、ファミリーとして特にコロナ禍では、ほんまに助けてもらいました。ライブもできなくなって、「どうしよう…」ってなってた時に、コモリが仕事作ってくれたり、支えてくれたりして。もうそういうレベルです。

──みんなで支えあってみたいな、
HISATOMI:
そうですね。で、僕とTAKA TEAがよく居るようになってから、775現る、って感じなんですけど。
彼女は昔から“気合の入った子”で、たこ焼きバーを自分でやって、お金貯めて「アルバム作りたい」って言ってて。当時は無名やったし、売れないって思われてたかもしれないけど、そこから5年ぐらいAZITOで一緒にやって、今回が初のフィーチャリングです。

──レコーディングのエピソードなどがあれば。
HISATOMI:
僕は基本的にはコンビをとる時は、その人に歌って欲しい場所を空けて、それ以外は全部自分で書くんですけど。だからスムーズでしたね。曲も含め、MVもAZITOの世界観がよう出てるなと思ってます。
個人的には、MV見て「775、立派になったな〜」って、ちょっとジーンとしました。なんか俺より大物感出てるやん、って(笑)。

コモリタカシ:絵力が、(笑)

HISATOMI:貫禄が、、まだ彼女20半ばだけど貫禄あるな〜って(笑)



──AZITO MUSICのMVのクオリティーはかなり高いですよね。
HISATOMI:
そこはコモリが毎回こだわってます。正直、不安になるくらい投資してる時もあります(笑)。

コモリタカシ:たとえ回らなくても妥協せず作ったものって自分の中で好きなので。過去作でも回ってない曲ありますけど、映像を今観ても好き。これ回るでしょ!って(笑)

HISATOMI:もっと観たらいいのに(笑)

コモリタカシ:そう、自分が妥協して後悔残すものを残したくない。アーティストがかっこよく映ってる、ってのが大事ですね。

──ありがとうございます。では、最後の曲「Over」についてお伺いします。ラブソングとして印象的ですが、この曲をアルバムの最後に置いた理由や、込めた想いを教えてください。
HISATOMI:
順番はコモリに決めてもらったんです。

コモリタカシ:曲調だけでも最後っぽいなっていうのがあって、内容よりも流れ的にラストに合うなと思って置きました。

HISATOMI:込めた思いというか、ほんまに歌詞のとおりですね。実際にこういう出来事があって、そのまま感情を歌にしたって感じで。ラブソングやからって、ドラマチックに脚色したりせず、思ってることをそのまま歌ってます。


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ワンマンライブに向けて

──そして、ワンマンライブが控えていますね。3年ぶりの開催ということで、どんな思いで準備を進めていますか?
HISATOMI:
前回のワンマンはコロナ禍真っ只中での開催やったんですよね。
今回ほんまに久しぶりで、しかもチケットの売れ行きが良くて、想像以上に早いスピードで動いててありがたいです。
この3年間でアルバムも作って、自分の中でもいろんなことが仕上がってきたんで、それをライブでしっかり見てもらいたい。“今のHISATOMI”を全部出したいと思ってます。

──アルバムを聴いてから来る方も多いと思います。ファンの方に向けて、どんな風に楽しんでほしいですか?
HISATOMI:
とにかくアルバムを“死ぬほど”聴いてきてほしい(笑)。
で、もし俺がステージで疲れて歌えんくなったら、代わりにサビ歌ってほしいくらいの感じで!
こっちも全力で楽しませる準備してるんで、ぜひ会場で会いましょう!


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今後の展望と“アナクロリズム”のその先

──今後のビジョンについても教えてください。これからどんな音楽を作っていきたいですか?
HISATOMI:
これはまだコモリには言ってないけど、「アナクロリズム2」、ありなんちゃうかなって思ってます(笑)。
それくらいこの世界観が自分にしっくりきてるし、音楽以外でもリンクしてることが多くて。
たとえば、僕キャンプもしてるんですけど、キャンプ道具もヴィンテージなものが好きやったりして。
なんか、生活とか趣味も含めて、「時代錯誤」っていうテーマがよう合ってるなと感じるんです。

色々やってきましたけど、キャリア20年新成人として、ようやく一丁前になったな、と。ようやく「これが俺」って言える世界観ができたんちゃうかなって。この先もこの形で行くんやろうな、と。
とか言うてて、次、おしゃれなアフロポップとかやってたら「なんやねん!」ってなるか(笑)

──アーティスト像としても、すごく定まってきた印象があります。
HISATOMI:
そうやと思います。聴いてくれてる人にも、「ああ、これがHISATOMIやな」って思ってもらえてるんちゃうかな。僕は基本的にカッコつけたりするのが苦手なんで、どんなことでもちょっとコミカルにいたいんですよ。

YouTubeもそうやし、ライブのMCもそう。リリックの中でもそういう風に表現してますね。
真面目な内容でも、ちょっと変なワードとか、一見合わんような言葉を入れたりして、たとえば「俺のスタイルは時代にとらわれない大衆的町中華」とか言うたり。「水割り 緑割り Diwali」のダジャレを入ったりとか。
雰囲気は真面目にやってるけど、そこにちょっと“らしさ”を入れるのが自分らしいなって思ってます。

ファンへ向けて

──最後に、応援してくれているリスナーやファンの方々へメッセージをお願いします。
HISATOMI:
まずは『アナクロリズム』をすでにむちゃくちゃ聴いてくれて、ほんまにありがとうございます。
今後もAZITOから出す楽曲はおもろいもんばっかりになる保証があります。
なので、ぜひ“箱推し”でAZITOを応援してください!(笑)