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2019.3.22

CHEHON:「ジャマイカでDEEJAYしたいってずっと思ってます」

CHEHONインタビュー


 

2018年12月に人気テレビ番組『フリースタイルダンジョン』で特別企画REGGAE VS HIPHOPの異種格闘戦や、RUEEDと激闘を繰り広げたDEEJAYクラッシュ『COMBAT2』に出場し、凄まじいバトルスキルで話題を呼んだ事が記憶に新しい大阪を代表するレゲエ・ダンスホールDEEJAYのCHEHON(チェホン)。デビュー作「みどり」が爆発ヒットを記録し、メジャー・レーベルとの契約、数々のヒット・ソングで人気と実力共に不動の地位を確立、日本での活動を休止しジャマイカでの長期修行を経て、独自の道を現在に至るまで切り開いてきた。そんな彼にこれまでの半生と、これからの展望をじっくり聞いてみた。

 

 

 
●レゲエを聴いたキッカケ、歌い始めたキッカケは?
CHEHON:ある日寝てたら夢にボブ・マーリーが現れて「君はレゲエを聞きなさい。聞くべきや。聞かなければならないんや。」って無理やり言われて聞くようになりました。
●初めての展開です......(笑)。

CHEHON:めっちゃ嘘やね(笑)。聞き始めたのは16~17歳の頃にクラブに遊びに行ってら、HIP HOPのイベントやってんけどレゲエもかかってて「気持ちええ音楽やな~」ってブース見に行ったら7インチのレコードが回ってて、そこからレゲエを聞きだしました。

 


●DEEJAYになろうと思ったのは?
CHEHON:17歳の時にマイクを持ち出しました。レゲエを好きになって現場に行くようになって、大阪の堺市にあるローカルのクラブに遊びに行ってて、毎回イベントの最後にオープン・マイクでラバダブすんねん。毎回お客さん2人位しかおらんのにDEEJAY10人位おって(笑)。一番盛り上げた人はMIXテープとかもらえたりしてて、それ欲しさにマイクを握り始めました(笑)。

 


●キッカケがMIXテープだったんですね。
CHEHON:なにより、僕達より上の人達って「15分のステージでギャラ5万円貰えんねんで」って事を言われる訳やんか。僕にとってはそれが夢のある話で「なんて素晴らしい職業なんだろうか」ってDEEJAYがキラキラして見えてました。それでいてもたってもいられなくて曲を書き出しました。

 


●もともと音楽で自分を表現したいって気持ちはあったんですか?
CHEHON:多少はあったけどまさか自分がなれるとは思わんし、憧れだけで止まってた感じでした。だから始めは遊びの一つとしてDEEJAYをやりたかったんです。バイトしかしてない自分の生活を変えたかったんです。

 


●自分にDEEJAYとしてのセンスがあるかもって思い始めたのは?
CHEHON:「みどり」を出した時は思ったと思います。歌を書いたのは20歳の頃で、リリースしたのは21歳の時ですね。

 



●「みどり」は当時凄い大ヒットでしたよね。
CHEHON:今思えばめちゃ恥ずかしいしですね。声も安定してないし。その時にめっちゃセンスがあると思ってた自分めっちゃアホやなって思ってます(笑)。

 


●夢が現実に近づいた瞬間だったんじゃないですか?

CHEHON:でもそれなりの努力もしてたんで。自分で200~300枚位デモCD作って電話番号を書いてサウンドマンやアーティストに渡してましたね。「ギャラいらないんでライブさせてください」とか、そういうプロモーションはずっとしてました。

 


●下積み時代ですね。
CHEHON:それが楽しかったんです。「聞いてもらいたい」っていう気持ちが強いから。自腹で東京まで行って、デモ渡しまくって、野宿とかしてました(笑)。

 


●SNSが主流の今と違って、ストリート・プロモーションや現場至上主義の時代ですね。
CHEHON:そうやね。自分の足使ってやらんと自分のこと知ってもらえへんというか。

 


●プロになりたいって思ったのは?
CHEHON:「みどり」をリリースしてDUBの依頼が急激に増えてからですね。そこからバイトせんでも生活ができるくらいになりました。

 


●「みどり」のDUBは色んなサウンドマンがかけてましたよね。曲が大ヒットしてから、今までとは状況とか環境が一変するじゃないですか。その中で大変だったことは? CHEHON:大変なことは一つもなくて、全部嬉しいことばっかりでした。自分の曲が録音されてミックスされてマスタリングされて世に放たれるっていう作業とか知らんかったから「こうやってアルバムが作られていくんだ」「地方営業に行く時は、ホテル取ってもらってライブしてお金もらえるんや」って。ホンマに感謝しかないし、大変なことは一つもなかったです。

 


●なるほど。それがプレッシャーに感じた事は?

CHEHON:一発屋で終わりたくなかったから「みどり」が売れたけど、それよりも良い歌を出さなって。「みどり」ってミディアム・テンポやから、一般の人にも聞きやすいんやけど。ダンスホールゴリゴリな感じのヒット曲を出したかってん。

 

 

●なるほど。

CHEHON:結構色んな曲作ってはボツにしたりとか、リリースしてもそんなにヒットせず終わっていった曲とかもあるし。そうやって行くうちに出来たのが「韻波句徒」やねん。「みどり」も一応ラブソングやんか。ラブソングって取っ付き易いやん?世の中で一番売れる音楽やし。でも、やっぱそうじゃない音楽で結果残して初めて本物ちゃうんか?っていう結構ストイックな自分の考えがあって。それを目指してたらこの曲ができましたね。

 

 


●すごくカッコいい曲ですよね。 曲が浮かぶ瞬間ってどういう時なんですか?
CHEHON:寝てたら夢にボブ・マーリーが現れて……(笑)。

 


●なんか聞いたことあるような......(笑)。
CHEHON:ウソです(笑)。浮かぶ瞬間はホンマにふとした瞬間ですね。一応ペンとノートを持って、トラックかけながらずっと考える。ほんなら思いつく言葉を書き殴っていっく感じです。僕は先に思いつく韻を全部書き出します。その韻に繋がるような文章を考えて、それをパズルみたいに組み合わせて行く。っていう書き方をしてましたね。今は少しちゃうねんけど。

 


●韻もすごく踏んでますもんね。
CHEHON:韻を踏む言葉遊びがすごい楽しかったから、内容よりもそっちを重要視してたかもしれへん。でも内容も意味繋がらないとアカンかなって思ってたから、最終的には上手く繋がるようにはしたけど。

 


●なるほど。
CHEHON:ジャマイカ行ってクラったことがあって。ジャマイカ人は文字とか書かれへんやつ多いやねんか。「どうやって歌書いてねんやろ」って思ったら、あいつらひたすら即興で思いついた言葉を出して行って、良かったフレーズをメインに繰り返し歌って歌詞を覚えて、そのまま録音するわけ。

 


● 斬新ですね(笑)。

CHEHON:ホンマに雑な作り方で作って行くねん。それがトップ・アーティストになったら、練習もなしにいきなりボイシングルーム入って一発録りで終わる人もいんねん。

 

 

●規格外ですね。
CHEHON:クライいすぎて一瞬自信無くしましたもん(笑)。

 

 

●CHEHON君はジャマイカに一年長期滞在もしてましたよね?
CHEHON:そうやねん。めっちゃ楽しかった。自分の中で「レゲエで成功してる人の共通点」を見つけて、それが皆長期でジャマイカ行ってってん。僕の主観やけど、ジャマイカやレゲエに携わるにあたって一番近道かもしれへんって。2~3ヶ月でも長いけど、結局帰らなあかんし。半年以上住まないと見えへんものがあるよとか。

 

 

●一年間具体的にどういうことをしてたんですか?
CHEHON:最初の半年は家作りですね。自分らの家を作ることに必死でした(笑)。でもそれもすごい新鮮な作業で、今までジャマイカでやってた事と違うから。時間もたっぷりあるし、曲作りながらもメインは家作りとコミュニティに溶け込む。とりあえず自分の人間力を使って試していこうって。

 


●やっぱりジャマイカと日本だと制作ペースは全然違いますか?
CHEHON:全然違うよ。生活環境とかも違うから思いつく言葉とかも自然と変わってくるし。ジャマイカだからこそ出てきた言葉だったり。新しい自分を見つけられましたね。

 


●ジャマイカの生活で大変だったここは?
CHEHON:全部が楽しかったです。ジャマイカって本当に漫画みたいな信じられへん事が起こる国なんですけど、最終的になんとかなるんですよ(笑)。

 


●はい(笑)。

CHEHON: 長期住んでる人によく言われてた言葉で「CHEHON、ここはジャマイカだよ」って。 それが僕にとっては魔法の言葉で、どんな漫画な事が起こっても「ジャマイカだから」っていう理由で全てが納得できるんです(笑)。

 

●ジャマイカに行く前と行った後で大きく変わったことは?
CHEHON:メンタルかな。精神力がつくっていうか、「生き抜いてきた」ってのは大げさじゃなくて、ゲットーなハードな環境で認められるっていうのは、ナヨナヨしてたり、若い考えでやっててもアカンって思ったし、男気のある人間として素晴らしい一面を出して行って、人として一皮むけるっていうか。

 


●はい。
CHEHON:そういうのを続けてたら帰る頃には強いメンタルを持ってました。間違って流れ弾が当たって「死んでも仕方ない」って思ってたし。だからすごい強い気持ちでいれました。そういう所が音楽にも繋がってるし。

 


●ターニングポイントだったんですね。
CHEHON:そうやね。それでさっき話した(レゲエで)成功してる人の共通点が裏付けされましたね。やっぱりこういう経験を経て皆成功したり凄い人になってたんやなって。

 



●帰国されてからの、モチベーションの保ち方は?

CHEHON:常にモチベーションを一定にしています。モチベーション高い時は曲作りも進むやろしライブのパフォーマンスも高いと思うけど、落ちてる時って両方アカンと思うねやんか。だからそれを安定させたら、ある程度のクオリティのものがずっと出せるっていうのを心がけてますね。 それもやっぱりメンタルが強くなったからできる事かなと思います。ジャマイカのおかげです。

 


●お話変わりますが。先日、テレビ朝日にて放送されている『フリースタイルダンジョン』に出演してみてどうでしたか?
CHEHON:面白かったですね。スポーツでもそうやと思うけけど、本気でぶつかりあって、勝ち負けがついて喜んだり、悲しんだり、熱い気持ちになったり、次の目標が見えたりとか。熱くなれるとこが良い所ですよね。

 

 

●DEEJAYクラッシュとフリースタイルバトルだと、ルールが違う中でリスクなどもあったと思います。

CHEHON:「漢やったらやるしか無いやろ」って自分にプレッシャーを与えましたね。でも、出ることによって絶対なにかプラスのことは持って帰れるって思ってたから。一回戦で負けたとしてもね。

 

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●苦戦したモンスターっていましたか?
CHEHON:全員ですね。やっぱ凄いよ。向こうもプロで百戦錬磨の人間やから下手くそな訳じゃないやん。何一つ傷つかずに帰れるなんて思ってないし。逆にそれがめっちゃ楽しかったです。

 

 

●ACE、崇勲、呂布カルマのモンスターを三人勝ち抜きして辞退しましたが、それはどうしてでしょうか?

CHEHON:まず、一回戦で負けると思ってて。「勝ってしまった」みたいな気持ちが正直な所。結構いっぱいいっぱいやったから、自分的にはまだまだだなって思いましたね。

 


●辞退する際に「ラップの勉強をして『UMB』や『MCバトル』に挑戦する」と仰ってましたが。
CHEHON:自然とそういう気持ちになりました。もうおっさんやけど、また新たな挑戦っていうかさ。また違う分野で自分も成長できるしって思って。まあ、言うてみたものの、大変なこと言うてしもうたなって(笑)。 これでせえへんかったらオカマ扱いされるやろうし(笑)。やります。

 


●応援しています。 日本語HIPHOP界のパイオニアである、いとうせいこうさんもTwitter で「日本の音楽歴史に関与しそうな刺激的なものでした」と。実際その当事者となって思うことは?
CHEHON:ライブパフォーマンスもそやし、音源つくる事もそやし、自分の生き様も同じくらい大事やと思うから『フリースタイルダンジョン』は凄い影響もあって良いんやろうけど、そこに固執しないように考えています。一つの良い経験でした。そして、この機会にレゲエ側として出れたことに感謝しています。

 


●『COMBAT2- DEEJAY CLASH』も記憶に新しいですよね。 登場からCHEHON君勢いが凄まじかったですよね。本気で殺してやろうみたいな……。
CHEHON:アドレナリン全開で入ってしまい過ぎて「ウォーーーー」って声出し過ぎてしまって……。僕的に声の出し方がショボかったかなって。

 


 ●本当に覇気がすごくて、圧倒されました。
CHEHON:なんか乗り移ってたんかな(笑)。 その分RUEEDはしっかり発声してて「音楽」としてブツけにきてたけど、僕は感情とか気持ちでぶつけてて、ギリギリ音楽乗せれてたというか。 でもやっぱり戦いの場やし音楽性のクオリティとかよりも、それこそ覇気で攻めて行くっていう方が喧嘩のときは良く見えるんかな?って。

 


●試合に挑む前の気持ちってどういう感じなんですか?

CHEHON:冗談とかも言いながら、始まる前まで結構リラックスしてますね。始まる1分前とかからスイッチ入れて挑みます。

 

 

●緊張とかするんですか?
CHEHON:するする。その日は、歌詞飛んだらどうしようとか思ってた(笑)。

 

 

●オファーから一年を経て、実際戦ってみてどうでしたか?
CHEHON:めっちゃ面白かったです。自分のキャリア的にも、パフォーマンス的にも、ギャランティ的にも、プラスしか無いって考えてたから。別に負けたらどうしようとか考えてなかった。良い試合できることを自分でもわかってたので。


 

●『フリースタイルダンジョン』『COMBAT2- DEEJAY CLASH』この二つを終えてどうでしたか?

CHEHON:17歳だった頃に音楽に魅せられた事を思い出しました。普段とは違うクラッシュをやったり、バトルをやったりすることによって、また初心の気持ちに似た様な気持ちが芽生えましたね。きっと制作とかも捗ってくると思います。

 


●今年でデビューして13年ですが、次に見据えてるステップとかって?
CHEHON:ずっと思ってるんは、頭から結まで全部パトワ語の曲で、ジャマイカでDEEJAYをやりたいです。日本とジャマイカで両立させていくために色々やらなアカンこともあんねんけど、全部がうまく行く訳じゃないって感じです。とりあえず、今年の夏に向けてアルバムを制作してます。

 

 

 

 

 

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【Seira Yonamine】

ライター兼エディター

地元沖縄を離れ、カナダ・ニューヨーク・ジャマイカを一年かけて旅し、現在横須賀を拠点に活動。

I want to create something that can be shared with a lot of people.

Instagram:@selah_8163

 

 

 

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