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2020.4.1

JUMBO MAATCH インタビュー 〜継続はいつの日か力に〜

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「JUMBO MAATCH」。

PUSHIM、RYO the SKYWALKER、NG HEADらも在籍した90年代の伝説のクルー『TOKIWA』の一員だったアーティストであり、自身所属MIGHTY JAM ROCKの主催フェス『HIGHEST MOUNTAIN』には3万人を動員。日本のレゲエタウンと呼ばれる大阪で20年以上活躍を続ける、名実ともに日本語レゲエのパイオニアの一人である。

現在は人気TV番組『フリースタイルダンジョン』にレギュラー出演中であり、畑違いの環境の中で苦戦しながらも唯一のレゲエアクトとして気を吐いている。

 

現在43歳。今もって戦い続ける彼の“アジト”であるMJRスタジオまでお邪魔し、インタビューに付き合ってもらった。

 

 

 

●ええと、最初は定番の質問から行こうと思うんですけど、レゲエに出会ったきっかけから。

 

きっかけはー、俺ずっとアメフトをやっとって高校の時。けっこうマジな方で、全国狙うみたいな。言うたらまぁ、引退するまでの二年半ぐらいはずーっとそれにどっぷりやった訳で。

で、俺がそれをやってる間に同級生のTAKAFINとか、今プロモーターをやってるALTO DE MILOって奴がおんねんけど、その辺の何人かがLABLISH(※90年代大阪の伝説的なレゲエ・クラブ)とか遊びに行ってて。俺も三年の夏に引退してからみんながやってるパーティーみたいなんに寄せてもらって、それで一番最後に『RIDDIM CREW』っていうのに入った訳よ。でもそれもまだ高校生の遊びの延長みたいな感じやから。クルーの名前も雑誌の『Riddim』から取って。

 

●あ、やっぱりそこからなんですか。

 

そうそう(笑)。初めはセレクター(※レゲエの世界の“DJ”の意)をやってて。

で、そのある日、また高校生のパーティーみたいなんで、たまたま歌うことになったんよ。でそれが何か……何のうたを歌ったんやったんかなぁ? 何かのうたを歌ったら凄いバカ受けして、「これめっちゃ気持ち良いやん……」みたいな感じになって、でDeeJay(※レゲエの世界の“歌い手”の意)やろうみたいな。そっから始まった訳よ。

 

●それが、90何年ぐらいですか?

 

俺が18の時やなー、それ。だから今43やから、26年前? 94年か。

で、これは忘れへんねんけど俺、その年の11月18日、俺の誕生日やねんけど。たまたまその日がRIDDIM CREWとしてちゃんと?クラブでPlayする初めての日やって。だから俺のデビューは18の年の11月18日から、っていう何となく自分の区切りはあってさ。

一番最初に主催したイベントはうちとHACNAMATADAで東三国の『ジャグー』っていう小っちゃいクラブでやって。でも俺らも何も分かってないから、サウンド同士が一緒に出るイベント自体を“クラッシュ”やと思とってんやんか。フライヤーにも「RIDDIM CREW vs HACNAMATADA」ってでかでかと書いて。

で、後から聞いてみたら“CLASH”って書いてあったのにただの馴れ合いみたいなイベントやって「何やねん、アレ」ってなったっていうのは言われてんけど(笑)。

 

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●そしてランキンさんプロデュースの『LARGE UP』でTAKAFINさんとのコンビ『CHAMPION』でCDデビューを果たす……と。『CHAMPION』の時って何歳ぐらいやったんですか?

 

あの時は18か19。

 

●へー、そんな若くして! やもう、ぼく『LARGE UP』もそうなんですけど(※『LARGE UP』の続編的な一作)『BAD CHOICE』が初めて買ったジャパレゲのCDですから。本当冗談じゃなく腐るほど聴いた一枚ですね、アレは。

 

俺は若すぎて恥ずいけどな〜(笑)。

 

●その頃のジャンボさん話でいうと、イベントでBOY-KENにいきなりクラッシュを仕掛けていた、っていうのは聞いたことがあるんですけど(笑)。

 

いやあの頃はほら、音源そこまで出る時代じゃなかったやんか。有名になる道筋が少なかった訳よ。俺なんかは単純にさ、その頃NINJA MANとかを見て「うわー!」ってなってからさ。方々でそーいうことをやっててんやんか(笑)。

懐かしいな。俺なんかめちゃくちゃ下手くそやったけどなあん時(笑)。

 

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●現在のジャンボさんに至る片鱗は既にその頃から(笑)。ええと、これは大事なところなんで改まって言うんですけど、その時代にあの伝説のクルー『TOKIWA』が結成される訳ですよね。僕らは当たり前のようにそこにあったものだけど今の子にTOKIWAってなんて説明したらいいんでしょう? 本当に、日本語レゲエのターニングポイントだったと思うんですけども、どうですか今振り返ってみて。

 

めっちゃ偶然っていうのもあったかな。同じぐらいの歳の、同じぐらいの熱量を持った奴らが、たまたまこう…遊ぶようになって。でもその頃ってイベントとかやってもあんま人入れへんから。

 

●ちょうど90年代後半で、ジャパスプとかの第二次レゲエブームが終わった直後、ですもんね。

 

なんかもう、こんだけ一緒にやってんのやったらユニットみたいな感じで?みんなで組んで一緒にやろうかって話になって、『TOKIWA』が始まったみたいな。

 

●でも皆さん全員今も第一線でやってらっしゃいますよね。

 

うん、そやな。それは嬉しいことやわ。

 

●JTB(※MIGHTY JAM ROCKのDJ集団。JUMBO MAATCH、TAKAFIN、BOXER KID)の3人もそうですが、それに加えてNG HEAD、RYO the SKYWALKER、PUSHIMがあの時代に集まった、っていうのは本当に奇跡的なことだったと思うんですよね。もちろんカツさん(PAM PAM)やまっつんさん(ALTO DE MILO)やKYARAさんROCKさんのサウンド勢もそうですし。

 

すんごい狭いところでな、しかも。

とりあえずはみんなで曲書いて、DUB録って、小さくやけど盛り上げて行こう!みたいな感じやってんけど、PUSHIMがメジャー決まって東京行くってなって、で次RYO君がメジャー行って、それでみんなの意識もまた変わりはじめて。

 

●その頃マイジャ(MIGHTY JAM ROCK)は「謎のミックス集団」だった頃ですか。

 

そうやなぁ。TOKIWAの中の『TOKIWA STAR』っていうSOUNDのメンバーでもありつつ、その中にミックステープを作る部門、っていうのがあって。そこでやってたんがKYARA君とROCKで。

で、(TOKIWAが)解散することになって、俺らJTBとそのミックス集団で『MIGHTY JAM ROCK』になって。RYO君とNG君とPAM PAMで『CASINO 891』になって。PUSHIMはPUSHIMでソロになって。

 

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●HIP HOPアーティストとの初の絡みもその頃ですか? 2WIN DOPE(※故・DJ KENSAWとラッパー・1LOWのユニット)の『GHETTO RED HOT』の客演で。

 

うん、一番最初はKENSAW君かなー。

KENSAW君は俺らの地元に住んどって。俺らの同級生の家族が住んでるようなマンションに一人で住んでてさ。

 

●吹田でしたっけ?

 

吹田、吹田。

でなんかいきなり電話かかってきて「ちょっと話聞きたいから来てくれ」って言われて。しばかれんのかと思ってさ(笑)。

 

●ダッハハハハ。

 

その当時やしや、KENSAW君って何か恐いイメージあったから(笑)。でもいざ会うて話したらすっげぇ良くしてくれて。で、「ちょっとこーいうのがあるからやってみーひんか?」ってことになって。

 

アレはでも……ドープやったなぁ〜!!

 

●そうですね〜。『GHETTO RED HOT』って30代以上の日本語ラップおたくの子ぐらいでゆいいつ分かると思いますし……

 

アレはレアやで!

HIP HOPもそうそう…俺けっこう絡みあって。挙げてく? 大阪やったらWORD SWINGAZやろ。

 

●ワードスインガーズ! 懐かしい! ぼく『一本のマイク』が好きだったんですよね!!

 

で、TOKONA-Xともやってるやろ。『Guess What?』のRemixで、バック・トラックが刃頭くんで。まだTOKONAもブレイクする前の頃。

 

●すげぇ! ILLMARIACHIですよね!! 実はそのコンビで『さんピン』にも出てるっていう。

でも当時はトコナメさんとかもまだ10代で、誰も知らないから客がドン引きしちゃってそこだけビデオにも映ってないという……(苦笑)。

 

そうなんや(笑)。

 

●で、そっからトコナメさんが東京を敵視するようになった、っていうのはよく言われますね……(笑)。

 

ああ〜、だから俺がもし東京の人間やったら、あの当時そーいうリンクはなかったかも。

すげーいい感じやったで、TOKONAは。慕ってくれて。

 

●大阪に来たら一緒に遊んだ、とかあるんですか?

 

ああもう来たら会いに行ったし。

でもブレイクしてからはあんま会う機会ってなかってんや。それが、死ぬ何ヶ月か前かな……久しぶりに会って。

「何かめっちゃ変わってたら嫌やなー」みたいな? 周りからも色んな噂聞いてたから。

けど全然変わってなくて!! めっちゃいつものいい感じのTOKONAやって。何か安心したん覚えてるな……。でもその後訃報を聞いて、がく然となったのも覚えてるし……

 

●本当そういう話を聞くとね、ジャンボさんの歩んできた道のりの「重み」を感じますね……

 

けっこうな、絡みあんねん。ラッパ我リヤともやってるし。

 

●えっそうなんですか!?

 

そうやで。HASE-T君のコンピレーションで、昔な。

あと誰おったっけな……あ、もやってるやろ。知らん? ベースのKEN KENも一緒に参加してるやつ。あのー、太華くんって分かるかな?

 

●分かります分かります、ビートボクサーの。

 

太華くんの作品でみんなで一緒にセッションしたやつで。それMVもあって今でもYouTubeで見れんでー!

 

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……今でもそう思うねんけど、やっぱレゲエのDeeJayとラッパーってリリック書く角度もちょっと違う?

 

●もちろんそうですよね。だから、僕も両方聴くからこそ思うんですけど、よく「REGGAEとHIP HOPは兄弟!」って言うじゃないですか? でも「性格は全然違う兄弟だから」っていうのは声を大にして言いたいんですよね。

 

ほんまに違うと思う。方程式も違うし。

ラップの方がよりパーソナルな話? レゲエのDJはもうちょっと広く取れる話っていうか、めっちゃこう、大きく分けたら。

うーん、そうやなぁ……でも日本語の使い方、リリックのクオリテイではまだHIP HOPの方が、レゲエより上行ってる奴が多いと思う。

 

●うーん、そうかも知れないですね…まぁもちろんその、あくまで「平均」っていうことで今おっしゃってる訳ですけど……あのー、あの人誰でしたっけ……「洗濯物干すのもHIP HOP」の人。

 

ZORNな。

 

●そうその人。今のお話聞いてて、めちゃくちゃあの人の曲が頭に浮かんで。古くはライムスとかもそうなんですけど、あれだけガッチガチに韻踏んでて、でも日本語として全く破たんしてないって凄いと思うんですよね。

 

いやあいつは凄まじいで。文学に近いよな、もう。

 

●あのーあの人の曲だと『LETTER』って分かりますか? “奥さんの連れ子に手紙を書く”って内容なんですけど。それが本当に良い曲で、「決して金じゃ買えない時間、印鑑だけじゃない責任感」とか「洗濯物別でもまあOK、金づるでいい買い物誘え」とか「お前らが生まれた日は知らない、でも過ごした時間は血よりも濃い」とかもう全編通してパンチラインの雨嵐で。まさか日本語ラップ聴いて涙が出てくるなんて……俺子どもも居ないのに。

 

しかも安いお涙頂戴じゃないやん。それもやっぱ凄いと思うな!

 

……でも、歌詞の世界は確かにそうかも知らんけど、現場のパフォーマンスの差やったら、俺は意外とまだ、レゲエの奴らの方が平均点は高いと思う。何となくやけど。

 

●そこは譲れないとこですね!

 

だからお互いのこと何も知らん客が、「バーンッ!」って両方のSHOW見せられて、「良かったな」と思うんは、俺は多分まだレゲエの方が……とは思ってる。

 

●そこはやっぱりレゲエ界の重鎮としては(笑)。

 

あくまで平均の話な! でもめちゃくくちゃフラットに見てんで、俺は両方好きやから。

 

●あのー例えば今、ジャンボさんのレーベルの子でもあるすけど、『変態紳士クラブ』とかも居る訳じゃないですか。

 

おおVIGORな。

 

●『変態紳士』とか僕すげぇいいなと思ってて、REGGAEとHIP HOP、両方の良いところをばっちり兼ね備えてるし、音楽性もすげぇし。何やかんや日本の未来は明るいな!と思うんですよね。

 

 

あいつら良い感じのハイブリッドやな!

だからあの世代に引っ張ってもらうべきやと俺は思うんやんか。別に完全に任せた訳じゃないけど、やっぱこーいう音楽って若者のこう…パッションが「ガァー!」って詰まったモンやと思うんやんか、それはジャマイカやNYでもそうやと思うし。

だからやっぱり若い奴らに後先考えんと爆発して欲しいと思う。俺らもそーいう風にやってきたから!!

 

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●さてJUMBO MAATCHヒストリーに戻ろうと思うんですけど、『TOKIWA』を経て、時代は2000年代に突入し、あの第三次レゲエブームがやってくる訳ですよね。

マイジャはMIGHTY CROWN主催の『横浜レゲエ祭』と並ぶBIGフェス『HIGHEST MOUNTAIN』を手がけ、日本中に旋風を巻き起こす訳ですが……ええと資料で持ってきた『HIGHEST MOUNTAIN 2004』のDVDのライナーノーツを読むとですね、

「MTVのインタビューでJUMBO MAATCHは図らずもこう言った。『“HIGHEST”を始めた頃は1000人を目標にしてて、それがいきなり達成できて“ああ良かったな”と思った』」と。

でも簡単に言ってますけど1000人でもだいぶ凄いと思うんですけど!?

 

うんうん。凄かったよ。それがどんどん増えていって、倍々ゲームで。最初ベイサイド(ジェニー)でやって、二回目もベイサイドで、そっからマザーホールってとこで二回ぐらいやってんけど、そこも難波にあっためっちゃでっかいハコで。ちょうどその当時、三木君の『LIFETIME RESPECT』もHITして。で、それでまためちゃくちゃ客増えて。で、「野外でやろう!」ってことになったんやな。

この前(2003年)に、既に『横レゲ』が外でやったんやんか。で、CROWNのみんなにも“今だったらいけるから、絶対野外でやった方がいいよ!”って背中押してもらって、ほんで舞洲でコレ(※初めて野外開催された04年度のHIGHEST)になるんやんな。

 

●この時、関西で行われたレゲエの、日本人アーティストだけのフェスで初めて集客が万を突破するんですよね。その前年に、初めて野外開催された『横浜レゲエ祭』が1万人を入れて。

で、翌2004年に『HIGHEST』も初の野外開催になるんですが……まぁものの見事に1万3千人を記録しまして!! まぁ〜本当当時のブームとも相まって、日本レゲエのひとつの「到達点」になるんですが、ど、どうですか今振り返ってみて。もちろん当事者なんで大変なことの方が多かったと思うんですが。

 

まぁあの、「どこまでも人!」みたいなんはやっぱ感激したけどな。うん。

でも結局その後、3万とかも入ったけど、もう1万も3万も目視できる人数ってそんな変わらへんつーか(笑)。

 

●ハハハ。でもやっぱねぇ、こみ上げてくるもんは!

 

そりゃもう、最高やったで!! もちろん大変なこともそりゃあったけど。

 

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●やもう、だから俺らの世代からしたらね、こーいうのをリアルタイムで経験してるから、本当「JUMBO MAATCH」ったら大スターな訳ですよ!!  だから今の『ダンジョン』とかでね、10代のラッパーなんかが「知らねーんだよ!!」とか言って噛みついてるのを見ると「おいコラちょっと待てぇ!!」ってね、ムチャクチャなりますよ(笑)。

 

まぁ俺も向こうのことよう知らんけどな(笑)。

 

 

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●そろそろ『ダンジョン』の話に行こうと思うんですけど……とりあえず『ダンジョン』が決まった経緯と言うのはどんな感じだったんですか?? 皆が気になってると思うんですが。

 

あれは〜去年の5月ぐらいやったかな? 『I&I PRODUCTION』って分かる? ジブさんの所属事務所の……双子の人らがやってる。

 

●わかります。

 

その人らって(ラスタ用語の)『I&I』ってつけるぐらいやからラスタやねんか。

 

●ばりばりのラスタの人らですよね。昔、ガーネット・シルク(※94年末に急逝した伝説のレゲエ・シンガー)の最初で最後の来日公演も主催したという。

 

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そうそう! それに三木(道山)君が行ってな、この前インスタにガーネットと写ってる写真上げとったもんな。

 

●へーそうなんや! まさに「歴史」ですねー!!

 

その『I&I』の人から電話があって。俺てっきりさぁ、前に一回「レゲエチーム」みたいなんで『ダンジョン』出たことあるやんNG(HEAD)君とかKYO虎とかさ。あれの第二弾みたいな感じでオファー来んのかと思ってさ。正直それやったら断ろうと思とってんやんか、何か二番煎じみたいやし。

で話聞いたら「いやそうじゃなくて。もっと納得できるいい話を持ってきた」って言うから。「ええっ、何すか!?」って聞いたら……「いやモンスターなんだけど」って言われて。

「ええっ!?」ってなって。三回ぐらい聞き直して(笑)。

「とりあえず今ZEBBRAも横居るから」って言われて、でジブさんと電話替わって。

「何でオレなんすか!?」って聞いたら、前のクラッシュもあるし、音源も聴いたし、総合的に判断してオファーさせてもらった、と。「ええっ〜!」ってなって。

 

●まぁ普通そうなりますよね(笑)。

 

まぁ自分の中では半分もう即答やってんけど、でも一回周りのやつにも話してみようかなと思って、何人かに相談もしつつ…で三日後ぐらいに電話して「お願いします」って。でもそれ決まってから収録まで2ヶ月ぐらい何も音沙汰なくてさ。

 

●「あの話は何やったんかな?」みたいな(笑)。

 

「流れたんかな?」みたいな(笑)。でもまぁ実際来てさ。それで始まったわけよ。

 

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●実際に収録が始まってみてどうでした??

 

一回目の収録はとりあえず俺出るだけで。「モンスター襲名披露」みたいな。で、最後のモンスターをトーナメントで決めるみたいな回やってん。

まぁ今までダンジョン自体もチョコチョコは観ててんけど、二代目になってからはそこまで観てなかってんや。で、「どんな感じなんかな〜」と思ってバトル見てんけど、あのトーナメントって色〜んな今までの、その1年半ぐらいの二代目のドラマとかさ、全部詰まった凄いやり取りやってんやんか。それ見て正直震えてもうて。

「こいつらこんな凄いレベルでやってんの!?」みたいな、無茶苦茶自分の中でハードル上がってさ。

 

で、まだちょっとフワフワな気持ちの中で出たんが初めてのバトルで、思い切りクリティカル負け(※クリティカルヒット=審査員満場一致。『ダンジョン』ではこれが出た時点で試合が即終了となる)した時。

 

今まで20何年間色んなSHOWとかも出たけど、一番緊張したな〜あの時が。

 

●いやーそうだと思います。もうある程度キャリアがあって……て言うか「ある程度」どころじゃないし、アーティストとしては本当に日本のレゲエシーンを作ったと言って過言じゃない訳じゃないですか。そーいう立場の人が「行く」っていうのは本当にプレッシャーも並大抵のことじゃないと思うんですよね。

 

あくまで俺は個人やと思うけど……でもそうでは許されへんところもある訳やん?

 

●立場上「レゲエ代表」になりますからね。

 

そう。俺がクリティカルでいきなり負けて「レゲエって全然いけてないな」みたいに言われたら凄いプレッシャーやしさ。

 

●SNSで“ジャンボマーチ”でエゴサするとやばかったですよね(笑)。

 

「ゴミクズ」とか書かれたからな。バリ傷ついたもん(笑)。

 

●あの言われようは僕らからしてもクソむかつきましたけどね!!

 

やーでも内容が内容(※連続クリティカル負け)やったからー。あん時は同業者の後輩とかに会うのめっちゃ嫌やったもん……。みんな別に何も言えへんけど、やっぱ見てるハズやし。

 

●や、でもアレはねぇ、僕らとしても「これは……どう接したらいいんだ……」ってねぇ、なりますから(苦笑)。

 

このインタビューっていつ上がるん?

 

●コレもう今月には上がりますよ(とか言いつつだいぶ遅れてしまいました。スイマセン!)。

 

あー今月やな。オレ『ダンジョン』で初めて勝ったのって三回目の収録やねん。

U-MALLOW』って奴と『BATTLE手裏剣』って奴と二人当たってんけど、そのU-MALLOWって奴には負けて。でもそれはまだ自分の中でもちょこっとだけ?形になり始めたところがあったから、「まーなんかこの感じで行けんのかなー」みたいに思って。で、次にBATTLE手裏剣と当たって、そこで初めて勝てた訳よ。

 

もうめちゃくちゃ嬉しくて……。

 

●涙なしには語れないですよね……。

 

でもそれも、言ったら10月とか11月ぐらいに終わってんのに、オンエアーが来年になってまうやん。

 

●ああ〜、もどかしいですよね。

 

やし、オレも負けたままで年終わるしや。「何か複雑やなー」と思いつつ、でも一勝したっていう安心感もめちゃあってんけどな。で、そのパッと晴れた気持ちで挑んだんがあの正月特番の『Monster's War』であって。

 

●ジャンボさん輪入道(※同番組の二代目モンスターも務めた現時点での日本における最重要ラッパーの一人)とサシで当たって勝ってましたからね〜。オレ家でAbemaTV観ながら感動で泣きそうになりましたよ!!!

 

めちゃくちゃ嬉しかったけどなアレは。輪入とかマジ凄いからさ。

 

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●ねぇ! でも結果は負けでしたけどU-MALLOW戦も凄い評判良いですよね。既にベストバウトとの呼び声も高いですが。YouTubeにサンプリングされた動画まで上がってますよ。

 

あの下ネタのやつな。よう出来てるからなしかも(笑)。

 

●「やばいこんなモンまで作られるようになったのか!」と(笑)。でもノーティーバイネーチャーのオケに自然に溶け込んでて、「ジャンボさんこんな引き出しもあるんだなー」と、凄い見てる側からしたら新鮮でしたね!

 

いやあーいうオーソドックスなトラックは全然行けんねんけど、ほら今『ダンジョン』ってルーレットあるやん? アレが自分の中では一番キツくて。

なんかオファーもらった時には、まぁまぁ軽い感じで「新しくルーレットみたいなのが入るかも知れない」って聞かされとったんやんか。で実際始まってみたら「これめちゃくちゃ大事なシステムやん……」みたいな。対策しようがないっていう。

 

●もうありとあらゆる速さのトラックで練習するしかないですよね。

 

小節もそうやしや。8×2、8×3、8×4、か、16×2か、32×1か。アカペラ1分2本か。それ、バトルの直前になるまで分からへん。ホンマに。

 

●難しいですね……。

 

めちゃくちゃ難しいよ! で、そのオレのテンパリの集大成が最初の連続クリティカル喰らった時の、あの収録で。

 

●見てる僕らからしても『ダンジョン』は、初期の8小節2本勝負っていうのがどーしても馴染みがあるんですよ。3本目まで行くと「アレまだ続くの?」みたいになるし。外野の自分たちですらそう思うんだからそりゃやってる当人らは……

 

8の2とかやったら、別に勝てるか勝たれへんかは分からんけど、乗せんのはまぁ、簡単っていうか、何となくイメージはしやすいやんか。それが例えば、LOWビートの8って言われたら、もうHIP HOPの奴らやったら倍で取ったりするからさ。

 

●ああもう最近のTRAPノリで。

 

だから16になってまう訳よ、同じ8でも乗せ方次第では。

そこの計算もあるし……なかなかアレは今後も油断でけへんシステムやな。

 

●コレは本当に企業秘密になっちゃうと思うんですけど、練習とかいつもどんなことしてはるんですか?

 

書かんといてな? 実は……

 

(※マジで大変面白い裏話だったのですが、もちろんすべて掲載できません!! 悪しからずww)

 

●はぁ〜! モンスターになってからのバトルの裏側ではそんな研鑽の日々が!! さすがっすジャンボさん!!

ええと、コレは本当に書く用の質問なんですけど(笑)、「モンスター」の中ではやはり韻踏合組合のERONEさんが同じ大阪で、しかも同世代だしずっとLINKはあると思うんですが、最初に会った時ってどんな感じだったんですか??

 

もう昔すぎて全然覚えてない(笑)。何か…メンバーの誰かは覚えてないねんけど、I to I(※かつて大阪にあった伝説的クラブ)あるやん? あそこの前で声かけてくれて。「僕ら今こんなグループやってて、こんなTシャツあるんで、もらってください!」って言われて、もらったんが、「韻」っていう字を踏んでるTシャツで。「何か面白い奴らおんねんなー」っていうのが韻踏の第一印象。そっからはもうずっとさ、同じ大阪で……同じ大所帯のグループやから。

HIDADDYも今でも家近いし、お互いの子どもも同じ小学校やし。

 

●大阪リンクはね、良いですよね!!

 

気ぃついたらR(※ラスボスR指定)も大阪やしさ。モンスター7人中3人は大阪勢っていうな(笑)。

 

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旧知の間柄のHIDADDYのショップ『一二三屋』へ。

 

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●今、日本自体が「終身雇用制」とかも無くなってる訳じゃないですか、ほぼほぼ。ぼくぐらいの歳でも周りに転職したやつとか多いんですけど、今のジャンボさんが出てる『ダンジョン』の話になって……。まぁジャンボさんがレゲエ辞めた訳ではないんですけど(笑)、やっぱジャンボマーチも、俺たちの青春のスターも、ああいう全然畑ちがいの環境でかましてるんだからオレも早く新しい職場に慣れなあかん、とか言うんですよ。

そーいう意味でもリスナーに勇気を与えてるんだな、って凄い肌で感じましたね。

 

それは嬉しいな。オレも別にそうしようと思ってやってる訳じゃないけど、それがそんな風に結果としてついてきてくれてるんやったら……。

 

●僕とかは『ダンジョン』は凄い良かったと思ってて。特に僕らの世代からしたらマジで雲の上の存在な訳じゃないすか、ジャンボさんて。今普通に喋ってますけど。でもそんな人でも、あんな風に若い奴に負けて恥かかされて、凹んだりするんだと。“人間”ジャンボマーチが見れたというか。

 

……めちゃくちゃ凹んだでほんま。今だから言えるけど対戦相手の奴捕まらへんかなーぐらい思ってたもん(笑)。

 

●ワハハハハ!! それはばっちり書いときますよ!(笑)

 

「笑」は付けといてや(笑)。まぁ〜SNSも全然見たなかったし。訳分からんDM送ってくる奴とかもめっちゃおんねんやんか、ダンジョンやり始めてから……。無視するんやけど。

 

●いやでも、そーいうところに飛び込んだっていうのはやっぱり勇気がないと出来ないことですよ!

 

単純にオファーもらった時は嬉しかったけどな、こんないっぱい居る中でオレ選んでくれて。しかもこの歳でさ、そんななかなか新しいことに挑戦する機会なんてないやん? そーいうチャンスも与えてもらったし。

 

●素敵ですよね。43歳になってもまだまだ色んなことがやれるんだっていう……

 

モンスターの奴らみんないい感じで輝いてるから、話してても気持ち良いよなやっぱ。あの意識の高さをレゲエの畑にも持って帰りたいし!

 

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アメ村のレゲエスポット『E.S.P.』にも寄り道。

 

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マイジャのCDジャケを第1作目から手がけるMURASAKI氏作のミューラルアートと一緒に。

 

●そろそろ〆ようかと思うんですが、では最後に今後の展望などを。

 

あのー俺この歳になって、一年を計画的にやることの重要さを凄く分かってきて(笑)。今年はもう、やろうと思ってること4個か5個ぐらいあって、それを遂行できたらなと。

BEAN BALLっていうレーベルを俺やってっから。それで三作品ぐらい今年は出そうかなと。それプラス、マイジャの20枚目のアルバム。プラス、「ダンジョン頑張りまーす」みたいな。

面白そうなアーティストとのコラボの話も既にいくつかあるんで、それも話題にできたらいいなと思ってます。

 

取材協力 / ロケーション
『一二三屋』
大阪府大阪市中央区西心斎橋1丁目8−16 中西ビル 4F
tel: 06-6245-4646

 

『E.S.P TRICKSTAR osaka』

大阪府大阪市西区南堀江1丁目9−6

tel: 06-6532-0111

 

 

 

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【ARTIST profile】

侠気にこだわったラガな生き様を図太い声で伝える、大阪生まれ・大阪在住のレゲエDeeJay。1990年代半ば、アメフトかレゲエかの人生の岐路に立つも、18歳でTAKAFINらとRIDDIM CREWを結成。セレクターとしてキャリアをスタートさせ、ほどなくDeeJayに転身する。

1998年より、MIGHTY JAM ROCKのメンバーとして活動。同クルーのTAKAFIN、BOXER KIDとの3人ユニットでのアルバムを2001年より毎年リリースし、2017年は17枚目を完成させた。ファーストアルバムは「3 THE HARDWAY」、最新作は「THE WARRIORS」。

2017年には、"危険球"の意味を持つBEAN BALL RECORDSを自身のレーベルとして設立し、同年・同レーベルより初のソロアルバム「the MUDER CASE BOOK」をリリース。ストリートカルチャーのみならず、国際情勢や社会問題などにも目を光らせ、外道をぶったぎるスタイルは痛快だ。彼は、まさに武闘派の雄。その攻撃性は年々磨きがかかり、男たちを奮い立たせている。

自分自身が教わったレゲエの魅力を世に還元し、良い意味でレゲエに捉われ続けたいと将来を展望する。

Twitter:@papamanchi Instagram:@jumbomaatch

 

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【PHOTOGRAPHER profile】

1999年の春、サウンドマンに誘われて初めて行ったCLUBで聴いたDANCEHALL REGGAEに衝撃を受け、その後REGGAEにどっぷりハマる。

2002年 当時足繁く通っていた滋賀のCLUB RAGEのスタッフ YASSALに誘われREAL ROCK SOUNDを結成、セレクターとして活動し始める。
その数年後REAL ROCKを脱退し、YARD Hi-Fi SOUNDに加入、現在はTIGER BALMというセレクターネームで年に数回活動中w

カメラマンとしては、2008年趣味でカメラを始める。
写真の魅力にとりつかれ、出演するDANCEの現場でも自然と撮影し始め、遊びに行った先でもゲリラ的に撮影を敢行。
2018年、縁あって「JERK CHICKEN」 Jr.Dee の7インチレコードジャケットを撮影。
現在、小箱から野外フェスの撮影はもちろん、アーティスト配信曲のジャケット撮影や、宣材写真、幼稚園の運動会から飲食店の物撮りまで行い、撮影対象は幅広い。
笑顔を撮ることをモットーとしている。

Instagram:@tiger_balm_man

 

 

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【SOLO BANTON】

ライター / デザイナー。全国各地のフライヤーやCDジャケットをPOPに美しく彩る『ソロバングラフィック』代表。また音楽ライターとしても活躍し、特に日本のレゲエシーンにおけるトレンドを生み出す重要人物として広く知られている。

Instagram:@solobanton.desu

 

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