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2020.4.27

本能的なセックス・アピールが魅せるジャマイカのバイブレーション

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皆さん、レゲエ・ダンスを代表する”*Winey(ワイニー)”って聞くと、何をイメージしますか?

 

女性が官能的な表情とセクシーな腰つきで、お尻を激しく自由自在に操る—— そんなエロティックなダンスを思い浮かべるでしょう。

 

*ワイニー【Winey】

ワイングラスをくゆらすように女性が妖艶に腰を回す“レゲエと言えば!”のダンス。基本的には女性の踊りだが、男性がそこに絡み男女でカップル・ダンスを踊ることもレゲエの大きな醍醐味のひとつである!! 

引用リンク:【今日から使える!】レゲエ用語解説 

 

「ただ激しくお尻を動かせば良いってもんじゃないんです。」と語るのは、ワイニーだけを競う大会『全日本ワイニーバトル 2020』で見事優勝した、愛知県出身のレゲエ・ダンサー、STEPHANY(ステファニー)。彼女の言葉を解明すると、レゲエ、ダンスホールの音楽面からジャマイカの文化まで、このワイニーひとつで体現されているそう。

 

インタビュー中に、「実は、ワイニーはとっても奥深いんです。」と、恥ずかしそうに謙虚に話す姿がとても可愛らしかったり、大会での優勝を振り返り涙を浮かべる姿が、普段ダンサーとして見る大胆で強気なイメージの彼女にギャップを感じたと同時に、ワイニーとは、女性に宿る神秘性(美しさ、知性、才能、創造性、素直さ)を体現した、”女性のための女性のダンス”なのかもしれない、とさえ感じさせられた。


世界中の女性を惹きつけ魅了するワイニーについて、WINY QUEENに話を聞いてみた。

 

 


 

●まず初めに、レゲエに出会ったきっかけを教えてください。
STEPHANY:もともと音楽は好きでGIRL’S HIPHOPのダンスをやっていました。高校二年生の時に行ったオールジャンルのダンス大会で初めてレゲエダンスを観て、女らしいかつカッコいい「なんだこのジャンルは」と思い、家に帰ってインターネットで検索したら”PASSA PASSA”で"*DUTY WINE"とかガンガンやってる映像が出てきて……(笑)。「狂ってる……。でもカッコいい!」と思い、そこからレゲエを聴くようになって、独学でダンスをはじめました。

 

*ドテワイン【Dutty wine】

女性が首をぐるぐる回して長い髪をふり乱すダンス。元々トニー・マタランの同名曲の振り付けとして広まった。ちなみにこのダンスが生まれた当時は「回しすぎて首の骨が折れて亡くなった女の子もいる!」と、どこまで本当なのかよく分からないニュースまで出回った。

引用リンク:【今日から使える!】レゲエ用語解説 

 

●確かに、レゲエダンス独特の"Mad"な感じって魅力的ですよね(笑)。当時の愛知のレゲエシーンを教えてください。
STEPHANY:私はまだ高校生だったのでそんなに夜遊びとかはできなかったんですけど、平日でもダンスがガンガンやってて賑わっていました。当時は先輩のおねーさん達がイケイケ過ぎて、目線を気にしてフロアで踊ったりするのも怖かったんですけど(笑)。「いつ・誰が・どう”BUSSる”か!?」っていうピリピリした緊張感が刺激的でした。んで、先輩たちのワイニーがすごく綺麗で土臭くて魅力のあるワイニーでずっと魅了されていました。

 


●女性の”レゲエダンス”って一般のイメージからすると、SEXYさの度合いでハードルが高いイメージがあると思うんですけど、そこに抵抗を感じたことは?
STEPHANY:SEXYであればあるほど良いものだって思ってました(笑)。全然抵抗なかったです。最初は親に隠してたんですけど、年数を重ねていくうちに親にも認められたくて、ジャマイカの”Dancehall Queen Competition”の映像を見せたりして「私こういうダンスやってんの、イケてるでしょ?」って言いながら目の前で披露したりしてました(笑)。

 


●想像したらかなりシュールな光景でした(笑)。ご家族の反応は?
STEPHANY:幅が狭い衣装はやめてねって言われました(笑)。Tバックはダメでしたね(笑)。


●あはは(笑)!理解ある素敵なご家族ですね。有名なダンサーさんの生徒になって活動を始めるダンサーさんも多いと思うのですが、STEPHANYちゃんはずっと独学ですよね?
STEPHANY:そうですね。わたしは8割がペルーの血(ひいお爺ちゃんが日本人)で”ラティーナ”っていうのもあって、幼少期からラテン・ミュージックを聞いて、腰をよく使うダンスもよく踊ってたので腰には自信があったんです。昔はツンケンしてたので「誰にも負ける気がしない」って思ってましたね(苦笑)。 

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●STEPHANYちゃんは、ジャマイカにもよく行かれてましたよね。
STEPHANY:21歳の時に初めてジャマイカに行きました。衝撃的でした......。ジャマイカの何が”ヤバい”かって、その辺のおばちゃん達でもすごくワイニーが上手いんですよ(笑)。だからその辺のおばちゃん達のワイニーをずっと見て学んでましたね(笑)。

 


●なるほど。ジャマイカ人にとって”ワイニーはカルチャー”なんですね。本場の本物のワイニーはどうでしたか?
STEPHANY:力が全然入ってないんですよ。素でやっているワイニーというか、体が勝手にやってしまうワイニー、みたいな。


●本能的な…… ?
STEPHANY:そうですね。ジャマイカに行ってから、おばちゃん達の様に”素”でできるワイニーを習得するために「ワイニーを生活の一部にして行こう!」って思って曲を沢山聞いて勉強したりしました。

 


●腰に自信があったSTEPHANYちゃんですが、ジャマイカのおばちゃん達のワイニーで洗礼を受けたんですね。
STEPHANY:やっぱりラテンの動きとジャマイカの動きは全然違かったし、実際本場に行って学んだらラテンとの違いがわかりました。本物を目にしたら本当にクラいましたね。

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●これまでに影響を受けたダンサーさんはいますか?
STEPHANY:初めて行ったジャマイカで、コンチで開催されたコンペティションを観に行った時に出場していた”Nickeisha”にかなり衝撃を受けました。特に最後のラウンドではアクロバット技の連発あとに柱によじ登り、腕だけの力で体を支えてシェイク……。会場は鬼ボス、見てた私は全身鳥肌に口はパカーンって空いてたと思います(笑)。もう1人は、"Dancing Rebel"です。キングストンのパーティーでも、流れのタイミングを見てしっかりボスを取りにフロアに向かう姿が印象的で、その頃はチーム・スパイスではなかったので今では見れない姿も沢山見れました。教え方もカウントだけじゃなくてリリックにハメて、それを表現したムーブも入れるのでレッスンの時間ずっと楽しい時間でした。本当にカリスマ性で溢れてます。

 

 

●これまでのダンサー人生の中で、大きい転機はありましたか?
STEPHANY:今までで5回ジャマイカに行ってるんですけど、一番最初に行ったジャマイカでI-VANとタイミングが被って、当時ジャマイカで大きいフェスに出演させてもらえることになって大勢のジャマイカ人の中で自分たちのダンスを披露させてもらったんですけど、それが一番大きい経験になったと思います。先輩達がいてくれたからこそ色んな経験をさせてもらいました。

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●逆に、ダンスをしてて悩んだ事ってありますか?
STEPHANY:もちろんあります。ずっとはやってられないなって思ってた時期もありました。歳を重ねるほどスタイルを変えて行かなきゃなって難しく考えたり、ダンスホールは進化し続けているから細かくて難しくなってきたムーヴについて行けてない自分にイラだったり......。短所ばかり気になっていたけど、長所を伸ばそうってマインドに変えました。

 

 

●衣装の露出度やSEXYな動きもそうですし、レゲエダンサーならでは葛藤もありますよね。
STEPHANY:すごいあります(笑)。踊り方一つでも魅せ方を考えますね。ワイニーとか特にそうなんですけど、意識をしても”重み”のあるワイニーは出ないんですよね。カウントだけで取るワイニーじゃなくて、曲をちゃんと聞き込んで、曲の裏音でリズムや音を取ったり、そこに感情が入って踊りで表現するのも大事だと思います。ただ単に激しくやれば良いってもんじゃないんです。言葉にするのは むずかしいですね。

 


●なるほど。たかがワイニー、されどワイニー。奥深いですね……。STEPHANYちゃんはWINY QUEENを目指して9年間挑戦してきたと思うんですが、これまでに沢山の努力をしてきたと思います。挑戦し続けた原動力を教えてください。
STEPHANY:9年間挑戦し続けて、「その時はイケてなかったけど実際はイケてるし」って思ってたんですよ。昔からそういう気の強い一面があるんです……(苦笑)。だから基本的にはポジティブなので、それが原動力となっていました。

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●ポジティブが原動力って、すごく素敵ですね。
STEPHANY:沢山の先輩からアドバイスを受けた事も原動力になっていて、一番心に響いたのが、2017年のワイニーコンテストで負けた時に、努(オンナマタヂカラ)のRUDY-Eさんに言われた「ある程度性格悪くないと勝てないよ」っていう一言です。

 

●はい。
STEPHANY:最初はその言葉の意味が分からなかったんですけど、大会に出場する時点で”皆んながライバル”っていう気持ちの切り替えが私には無かったのかなって思いました……。それに、バトルになるとバチバチやってる方がエンターテイメントにもなるなと。その翌年、2018年のワイニーバトルの時は絶対勝つつもりだったのに2回戦敗退しちゃって、心身共にズタボロになりました。当時は本当に落ち込んで、2019年の大会には出場しなかったんです……。

 


●「出場しない」っていう選択が深刻さを物語っていますね……。
STEPHANY:2019年の大会にはお客さんとして見に行って、その時に仲良しの友だちが優勝したんです。もちろん心から嬉しかったのと同時に、「自分は本当にこれで後悔しないのかな?」っていう感情が芽生えてきて、2020年大会のエントリーもギリギリまで悩んで、最後のひと枠っていう所で滑り込みエントリーできました。今回は「バッチバチに強気で行ってやろう」と思って、ダンスを魅せる前に目だけで殺せるようになるって決めてました。「性格悪い」ってこういう事なんだろうなって。私の解釈ですけど(笑)。

 

 

●その気迫は画面越しからでも伝わりました。終始すでにQUEENのオーラを纏って見えました。改めて優勝おめでとうございます。今大会を振り返って思う事はありますか?
STEPHANY:周りの子たちのワイニーレベルが高くて、余裕あるような感じを演じてたんですけど、油断すると自分が殺されるかもって緊張感は常にありました。

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●大会に向けてどういう練習をしていましたか?
STEPHANY:ワイニーバトルは曲がランダムにかかるので、練習の仕方もランダムに曲をかけて50秒踊るっていう練習をやり続けてました。基本もやりつつ、あとは表現力もあるし。

 


●”ワイニー”というお尻ひとつであそこまでの表現力は、もうアスリートやアーティストに近いものを感じました。STEPHANYちゃん独自のワイニーの魅せ方のインスピレーションって?
STEPHANY:一つの曲調だけでワイニーをするんじゃなくて、一曲に沢山の音が存在してるので、ワイニーのバリエーションっていうより、音の取り方のバリエーションを増やす感じです。見てて飽きさせないっていう所を大事にしています。

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●特別なお尻トレーニングやワイニーの練習ってするんですか?
STEPHANY:ワイニーをやってく内に勝手にお尻は仕上がるし、実際に現場で踊ることが一番のトレーニングだと思ってます(笑)。

 


●レゲエ、ダンスホールの曲やリリック、ジャマイカのカルチャーとバイブスを全てワイニーで体現していると思うんですが、ワイニーを魅せる時に大切にしている事ってありますか?
STEPHANY:曲の入り込み方や、自分が気持ちよく踊るっていうのが一番の表現になるので、楽しんで踊ることを大切にしてます。

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●素朴な疑問なんですけど……緊張ってしないんですか?
STEPHANY:めっちゃしてますよ(笑)でも緊張があってからこそ自分の実力が出せてると思うし、緊張がないとダラけちゃうので緊張感は大事ですね。

 


●決勝であたったSHOKOちゃんとは同郷で先輩後輩の関係だと思いますが、SHOKOちゃんと戦ってみてどうでした?
STEPHANY:ショーちゃんはすごく手強いです(笑)。本当に上手いし、表現力も凄くて決勝の衣装も同じムラサキ色で被ってて……。でも、私ここで負けたら今後のダンサー人生フェードアウトして行くんだろうなって……。だから自分の中でも最後の挑戦だと思って挑みました。

 


●すごく接戦でしたよね。愛知県出身のダンサーさんはワイニーが上手い人が本当に多いですよね。

STEPHANY:愛知の現場はギャル・チューンが凄い豊富で現場でワイニーをする機会が沢山ある気がします。先輩達の上手いワイニーをそのまま引き継げてるってのもあって、愛知県は日本の中で”ワイニー大国”になってるのかなって思います。なのでこのまま継続していきたいです。

 


●優勝した瞬間の気持ちは?
STEPHANY:一回頭真っ白になって、現実を実感した時に涙が溢れました。思い出すだけで泣けてきます……。挑戦し続けるのって本当に大事だなって思いました。

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●今回のSTEPHANYちゃんの優勝で勇気をもらった人は沢山いると思うし、本当に継続は力なりっていう事を証明してくれましたよね。バトルモードのメンタルを保つのも大変だと思うし苦しいと思います。
STEPHANY:そうですね。苦しいです。でもちゃんと戦うときは戦う姿勢でずっといないとダメなんだなって。

 


●9年越しの努力が解放された時の笑顔に感動しました。
STEPHANY:時間ってあっという間なので「どうしてもこれを手に入れたい」っていうものがあるなら、やっぱりそのために戦った方が良いと思います。

 


●優勝できた一番の要因はなんだと思いますか?
STEPHANY:大会のときは"自分が一番"っていう気持ちで臨むべき。その方が自分を出し切れます。

 

 

●最後に。Instagramで「ワイニーをさらに追求するべくワイニーモンスターを目指す」と仰っていましたが、STEPHANYちゃんにとって、ワイニーとは!?
STEPHANY:本当の自分になれる表現方法。生活の一部でもあり本能でもあり、なくてはならない存在。お婆ちゃんになってもやってると思います。ワイニーは永遠に人をハッピーにできると思います。 

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 【STEPHANY profile】

2008年から愛知県を拠点にDancehall Reggae Dancerとして活動を始める。
スキル、知識、カルチャーなどを学ぶ為、定期的にジャマイカに渡り様々な経験を積んでいく。数々のコンテストやバトルに挑戦をし続け、KILL OR BE KILLED 2016 優勝、全日本 WINEY BATTLE 2020 優勝、念願だったWINEY QUEENになる。ダンスを愛し現場で踊ることを第一と考えてる。
【Instagram】@stephany30
【Twitter】@xxstephanyxx3

 
 

 

 

 


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【Seira Yonamine】

インタビュアー / ライター / Youtuber

地元沖縄を離れ、現在カナダ・トロント在住。
ジャマイカやレゲエのナチュラルなインスピレーションを受け
自然的なライフスタイルを日々学びながら実践中。
ナチュラルライフクリエイターとして
YouTubeチャンネル『Seira Natural Mystic』を開設。

I want to create something that can be shared with a lot of people.

Instagram:@selah_8163

 

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