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2020.9.26

総力特集!令和を担う日本語レゲエの新星たち!!

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2019年。年号も「平成」から「令和」に変わった10年代最後のこの年は、日本語レゲエの祖・RANKIN TAXIが初アルバム『火事だぁ』を1989年にリリースしてからちょうど“30年目”に当たり、シーンにとっても大きな節目となる年であった。

 

そして今年、2020年。「令和」も二年目に突入し、まさに世の中全体が大きく変わらんとしている今、ジャパニーズレゲエのシーンにおいても全国で新たなる才能が開花し始め、文字通りの「新たなる時代」が幕を開けようとしている。

 

時代を変えるキーマンとは一体誰なのか?

完全なる独断と偏見ではあるが、今日はこの先必ずこのカルチャーを大きく前進させるであろう七組の若武者たちを紹介したい。

刮目せよ。

 

※「日本語レゲエ30年の歩み」については、当メディアに昨年UPされた『平成最後の大総括!日本語レゲエの30年史』をCHECK!

 

775

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まず最初に紹介せねばならないのは、やはり皆さんご存知「775(ナナコ)」だろう。

97年生まれの岸和田育ち。全く無名の新人でありながら、今年YouTubeにUPされた『よってらっしゃい』という曲のMVが、わずか一ヶ月で再生回数100万回を突破するという驚異的なバズを巻き起こし一躍全国にその名を轟かす。

大ヒットを記念して7インチのアナログレコードも「775枚限定」でリリースされたのだが、そちらも発売後一ヶ月を待たずして、完売。まさに「玄人から素人まで」を地で行く存在となっている(※ちなみにMVに登場するでかいアメ車は実際に本人が普段乗っている車らしい。やばすぎる)。

 

仕掛け人は泉州の実力派プロデューサー・TAKA-TEAことコモリタカシ。

もともと、初期VIGOR MANのプロデュースを手がけていた人物で、tiktokでバズった『Bad Lady』も氏が制作したもの。ぼくは何と言っても『Do It Like Me』が好きだったので、今回の鬼バズは「とうとうやったな」感が凄く、感慨深いものがあった……。

 

そして、『775』に関してはもう一人、『BLACK SMITH』という謎のプロデューサーが制作に関与しており、彼女の楽曲制作にはおいてはこの人物がキーマンとなっているようだ。巷の噂ではリリックにも登場する『三木道三』ではないかとまことしやかに囁かれている(!?)。

 

制作側はアーティストのブランディングにもかなり注力している様子で、レゲエアーティストにはつきもののDUB録りもごくごく一部のサウンドにしか解禁せず、次に彼女がMICを握るステージも未だ不明のまま。

 

生で『よってらっしゃい』を聴ける日は来るのか!? 謎のプロデューサー『BLACK SMITH』の正体とは!?

 

ただ言えることはひとつだけ。

775の登場によってシーンは更にSTEP UPすることは間違いないし、あの日の“MY DREAM”を託せる相手がとうとう現れた、ってことだ!!

 

 

TEN'S UNIQUE

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前述の775と同じく岸和田をrep.し、その名の通りユニークな存在感を発揮しているのが『TEN'S UNIQUE』である。まだ弱冠20歳の若手ラッパーなのだが、既に大物の片鱗(へんりん)を感じさせ、レゲエ界の数倍の規模を持つヒップホップ界隈でも注目を集める存在となっている。

 

特筆すべきはそのレゲエカルチャーへの傾倒っぷりで、それはラッパーなのに“どんなリディムもユニークに乗りこなす”とレゲエ用語が使われたプロフィール文章然り、CARLTON & THE SHOESAbyssiniansのアナログが登場する彼のインスタなどからもビンビンに影響が感じられることだろう。

夏にUPされた『CALL ME MAYBE』という曲では、何故か冒頭にJr.GONGの『ROAD TO ZION』が使用され、ダミアン・マーリーが流れた後、曲が始まる…という構成になっている。そのレゲエ愛たるや半端ない。

 

もともと、大阪南部の海側のエリアである泉州ではサーフィンが盛んで、“海に似合う音楽”としてBOB MARLEYなどの初期レゲエがサーファーの間で愛聴されてきた。

それは90年代、りんくうタウンに『JUGGLIN LINK CITY』(当時西日本のレゲエ系クラブで最大の規模を誇った!)という“伝説の箱”がOPENすることにも繋がり、同時代に『パチンコマン』が爆発的なHITとなったブギーマンの存在などもあり、以降大阪の泉州エリアは“日本のレゲエのメッカ”として広く知られることとなる。

 

時を経ても、その遺伝子がこんな形で受け継がれていることに、今年36歳になる自分は喜びを隠せない。

 

 

AL CIZARR

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ジャマイカンの父と日本人の母を持つダブルで、パトワと日本語を自在に操る二刀流DeeJay、AL CIZARRR。

動画の向こうで流暢なパトワ語で歌う黒人アーティストが、いきなり日本語で歌い出した時は何とも不思議な気持ちにさせられたものだったし、新たな時代の息吹を感じさせるのに十分なインパクトを与えられた。

 

情報がほとんどと言っていいほどなく、あまりアーティストについて詳しく言及できないのが残念だが(SNSもあまり更新されてない。ひょっとしたらそれもアーティストのイメージ戦略なのかも知れないが)、「J-REXXX以降」の関東シーンを担う存在として、レゲエ・ファンは赤丸チェックをいれておいて損はないだろう!!

 

※ちなみに彼と親交の深いプロデューサー・DONKIXXもまた、U-25の注目株。

 

 

ZENDA MAN

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「日本語レゲエ新世代」といえば、このアーティストを思い浮かべる方も多いだろう、ZENDA MAN。

東北は岩手県出身。地元の名物フェス『東北レゲエ祭』で見たJesse RoyalとBeenie Manに強い衝撃を受け、MICを握るように。

現在も海の向こうジャマイカでDeeJay修行中であるが、自身の現地での日常を記録したYouTube番組『ZENDA MI ZENDA』がバズり、日本での活動は行っていないにも関わらず、既に全国区の知名度を得ている。

 


先頃惜しくも亡くなってしまったトゥーツ・ヒバートと共演するZENDA MAN。

 

『ZENDA MI ZENDA』の制作を始め、プロデューサー集団『MEDZ』が全面バックアップしているとあって、MIGHTY CROWNなどシーンの重鎮からも“次世代の筆頭!”としてアーティストを推す声は多く、まさにシーンの期待を一身に背負う存在となっている。

彼が完全帰国を果たした時、ここ日本で一体どんなムーヴメントが巻き起こるのか!?まだ20歳になったばかりのこの若きラガマフィンから目が離せない!!

 

あ、もちろんロッコン師匠からもね♪(ハートはいつでも20代!!)

 

 

KON RYU(YOUTH OF ROOTS)

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そのZENDA MANとも親交の深い若手アーティストと言えば神奈川出身、現在ジャマイカ留学中のKON RYUである。

彼も2000年生まれのハタチ。初期HOME GROWNメンバーとしても活躍した、名プロデューサーKON KENを父に持ち、父とともにバンド“YOUTH OF ROOTS”としても活動。

 

まさに“日本のクリトストファー・エリス”といったところの、この“レゲエ界のサラブレッド”がこれから何を成し遂げていくのかー。

シーンの耳目が集まる。

 

 

IRIE TELL

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九州は長崎出身、現在レゲエタウン大阪で出稼ぎ修行中のDeeJay、IRIE TELL

 

SKAやROCK STEADYをこよなく愛する古モノ好きで、筆者も大阪のアンダーグラウンドな現場でちょくちょく一緒にラバダブすることがあるが、まだ20代前半ながらSTUDIO 1のオリジナルリディムに見事に溶け込んでいる。

 

芸風は、かなりよく出来た「ARAREインスパイア」で、一度聞いたら忘れられない特徴的なベビーボイスはまさに若き日のARAREをほうふつとさせる(それはまるでBUJU BANTONに対するTERROR FABULOUSのように)。

 

BIG SOUNDでは既にRODEM CYCLONEがいち早く目をつけ、DUBを録ってHIGHEST MOUNTAINでPlayしていたりするが(!)、まさにこれから化ける可能性大!の注目株。

全国のサウンドマンは今のうちにDUBを切っておいて損はしないだろう。

 

 

 

変態紳士クラブ

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このユニットを“若手”の枠で語ることはもはや無理があるかも知れないが、現在の「U-25世代」に圧倒的な人気を誇る彼らなので、紹介しない訳にも行かないだろう。

 

日本語ラップの文脈で語られることも多い「変態紳士」だが、レゲエDJのVIGOR MANの存在はもとより、プロデューサーであり司令塔、GeG自体がレゲエバンドを長年やってきたキーボディストで、ジャマイカ渡航経験もあるばりばりのレゲエ畑出身の人物(ちなみにTHUNDERの代表曲『尼の唄』も彼が制作したものである)。彼らの音楽性には“REGGAE”のカルチャーが色濃く反映されている。

 

当初こそ、『高校生ラップ選手権』第一回目の出場者でもあるWILLY WONKA(TAKA)の抜群の知名度に引っ張られる形であったが、活動を続けるうちに“変態紳士”としてのやばさに皆が気づきはじめ、三人は“アメ村ストリートカルチャーの申し子”として不動の地位を確立(ちなみに昔のジャマイカでは旧約聖書の三位一体の啓示にもとづきウェイラーズ、ヘプトーンズなどを筆頭に三人組グループが多く、このへんもかとなくレゲエっぽい)。

 

 

代表曲『好きにやる』は、今を生きるストリートの若者たちの応援歌として圧倒的な支持を獲得し、YouTubeの再生回数も現在1000万回を突破している。

 

……もちろん「レゲエ」や「ヒップホップ」という言葉だけで全てを語られるのは彼らにとっても不本意だろうし、彼らは彼らの音楽をやっているだけだろう。

 

だが「ジャンルの垣根なくGOOD MUSICを取り込み、オリジナルのものとして昇華する」というのは、そもそもレゲエカルチャーの本質的なものであり、それこそが自分がこの文化を好きになった大いなる理由のひとつである。

2020年、変態紳士クラブを見ているとぼくはこの文化の「存在意義」を改めて問い直さずには居られなくなるのだ。

 

 

令和に第四次レゲエブームは起こりうるか

 

日本におけるレゲエのブーム期というのはこれまで3回に渡って訪れている。

 

まずはじめに、ボブ・マーリーが初来日を果たした70年代の末。

そして、ダンスホール期に突入し『ジャパンスプラッシュ』がNHKでも放送されていた90年代前半。

最後に、“日本人による日本語のレゲエ”が“ジャパレゲ”と呼ばれて一人歩きをはじめ、筆者もリアルタイムで体験した2000年代のレゲエブームだ。

 

こうして振り返ると20年に満たない周期でブームは起こっているからそろそろ四回目が、「第四次レゲエブーム」が起こってもおかしくない時期に差し掛かっている。既に盛り上がっているHIP HOPシーンからの連鎖反応だって少なからずある筈だ。

もちろん「数がすべて」ではない。

だけど、「あの時代」を経験した者としては、あの時代に青春を過ごした身としては、あの熱気を、街の至るところでレゲエが流れ、野球場で行われたフェスに数万人が集ったあの時代の興奮を、今の若い人にも体感してほしいなと思ってる。もちろん数がすべて、流行りが全てではないけど。

 

そして、もちろん「次のムーヴメント」が起こるなら、主役になるのは若い世代。

本記事で紹介したアーティスト達は必ずやそのムーヴメントの中心に居ることになるだろう。

「未来への鍵」を手渡された彼らが果たして如何なる未来の扉を開いてくれるのか? “日本語レゲエ”の歴史も30年を突破した今、注視して見守りたい!!

 

……でも、おれみたいなオッサンが騒いだところで、当の本人たちは至ってクール。

自分たちの「好きにやる」だけだし、「興味がないわブームなんか 時代はまた追いつくから」と、鼻で笑われちまうだろう。

 

それでいいと思ってる♪




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【SOLO BANTON】

ライター / デザイナー。全国各地のフライヤーやCDジャケットをPOPに美しく彩る『ソロバングラフィック』代表。また音楽ライターとしても活躍し、特に日本のレゲエシーンにおけるトレンドを生み出す重要人物として広く知られている。

Instagram:@solobanton.desu


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