日本が世界に誇るルーツレゲエバンド、YOUTH OF ROOTS。彼らの音楽は、ジャマイカでの経験に基づきながらも、日本のレゲエシーンに新たな風を吹き込んでいる。今回のインタビューは全2回にわたり、前編ではバンドの結成から現在のメンバーに至るまでの話、そしてツアーでの経験を語ってもらった。後編ではアルバム『LOVE IS THE ANSWER』を1曲ずつ解説してもらい、その魅力を探っていく。
Text & Interview by Takashi Watanabe
結成から現在へ
●メンバー紹介をお願いします。KON RYU:ギターボーカルのKON RYUです。お願いします。
KENTARO:ギターとコーラスやってますKENTAROです。
SATOSHI:ギターやってますSATOSHIです。
KON KEN:コーラス、ベース、バンマスのKON KENです。
KIWAMU:パーカッションのKIWAMUです。
●YOUTH OF ROOTS結成の経緯を教えてください
KON KEN:2016年、はい。それまでは「拳POWAバンド」っていうバッキングバンドで海の家のオアシスとか地元にアーティストを呼んでイベントを企画したり。そんな中でRYUもバッキングでMPCとかギターを弾きながら、歌う出番が出てきたら歌ったりして。遊びながらレゲエバンドをやっていました。そのうちボーカルのRYUが曲を作り始めて、その際に次の世代に向けた名前にした方がいいじゃないかという相談をして。で、バンド名を何にしようかみたいな話になったんだよね。いろいろ名前があったけど、その中にYOUTH OF ROOTSっていうのがあって。
KON RYU:そうだね。俺がメインボーカルのバンドとして動き出すぞっていう時にYOUTH OF ROOTSになったんだよね。
●なぜルーツレゲエのバンド?
KON RYU:2014年にジャマイカに初めて行った時にルーツレゲエに食らったっていうところからです。当時はCHRONIXX、PROTOJE、JESSE ROYALなどがレゲエリバイバルで盛り上がっていて、その中でもバンドスタイルでやっているRAGING FYAHのライブを見た時に食らいました。
当時、OISO ROCKERSっていう日本のルーツレゲエバンドがあって、そのライブのダブエンジニアでKON KENが呼ばれた時に、俺もついて行ってライブを観て、日本にもルーツシーンがあるじゃんって、びっくりしたしバイブスも上がりました。
KON KEN:そうだね。それからボチボチとイベントに呼ばれだして、それを観た人がまた呼んでくれたりとか、だんだん活動の範囲が広がっていきました。
●そのあと現メンバーが加入していったわけですね
SATOSHI:僕はさっき名前が出たOISO ROCKERSっていうバンドで活動してて。だから最初はYOUTH OF ROOTSをお客さんとして観たんですよね。ライブを観る側で。そのうち、KON KENさんが一緒にやろうよなんて声かけてくれて、ここに来たのが七年ぐらい前とかになるんですかね。そっから始まってますね。
KENTARO:自分は三年ぐらい前に葉山のオアシスでRYUと出会って共通の友達がいたりして。そっからここのスタジオで一緒にセッションしたりとかするようになって、一緒にやるようになったっていう感じです。
KIWAMU:自分は最近一緒にやらせてもらってて。2024年の4月頃に、KON KENさんから連絡が来て、ジャマイカから帰ってきてアルバムを制作してるんだけど、そのために皆の士気を高めてほしいっていうのと、あとこの辺を歩いている小学生が毎日暗い顔して、、
KON RYU:朝ね。下校時は皆ワイワイやってるんだけど(笑)
KIWAMU:そうそう、毎朝サラリーマンみたいにどんより暗い顔をして登校する小学生たちをちょっとでも明るくしたいから、スタジオの壁に絵を描いてくれないかと言われました。元々自分はYOUTH OF ROOTSのライオンフラッグの絵も描いてました。
●6月末の「YOUTH OF ROOTS TOUR 2024」はいかがでしたか?
KIWAMU:自分はそう本当にそのちょっと前から参加させてもらったんで、毎日が自分がここにいるのがすごい経験っていうか、全く予想だにしてなかった。一か月前にはもう全然予想してない状況にいて。でも、レゲエの太鼓をやってたんですけど、また新たにKON KENさんとかにいろいろ指導してもらって、本当に初心で臨んで、皆のバイブスで一緒にできて、お客さんもすごい喜んで、本当に何かエキサイティングな経験でした。
●めちゃくちゃ急に呼ばれたんですね。
KIWAMU:そう、急展開でした(笑)全然想像してなかったです。
KON RYU:すげえ助かったす!JAH GUIDANCE。
KIWAMU:JAH GUIDANCEとITECTIONで。本当に素晴らしい経験になりました。
KON KEN:子供の反応はどうでした?もう目の前に友達の子供たちがはりついていたよね。
KIWAMU:そう、東京の時はね、自分の子供が目の前にいてくれて。それで彼らも音楽やりたいって、刺激されてました。
KON RYU:あつい!
SATOSHI:福岡ですごい印象があったのが、おばあちゃん、お母さん、孫一緒に三世代で来ている人であったり、どこの会場もチラチラいるんですけど、黒人やミックスの方とか。
KON KEN:アフリカ人でライオンと戦って仕留めた奴、いたよね、福岡。
KON RYU:すげえ喜んでくれたと思う、叫んでたし!
KON KEN:ライオン倒した男が喜んだバンドです(笑)
KON RYU:LION PAW、LION PAW!
SATOSHI:そういうのもありつつ、三箇所やる中で、自分らも成長していくっていうか、本当にいい経験でした。
KENTARO:僕は地元が九州なんで福岡を回れたのはすごい良かったなっていうのと、それこそ、さっきも言ったように、老若男女、本当に幅広い世代の人が集まってたなっていう印象はありますね。
KON RYU:どこの会場もYOUTH OF ROOTSが大好きな人しか集まってなかったから、逆に責任感でプレッシャーだったっていうのが、ありましたね。うん。かましに行くっていうよりかは、もうみんなYOUTH OF ROOTSが大好きで来てくれてるファミリー。YOUTH OF ROOTSのワンマンライブ。
KENTARO:お客さん全部歌ってる。
KON KEN:アルバムをリリースしたのがツアー初日の8日前だったから、受け入れてくれるのか、ちょっと心配していたけど。
KON RYU:でも結構歌ってたよね?
KON KEN:歌ってくれてた。日に日に時間が経つにつれて、東京はもうだいぶ歌ってくれてましたね。YOUTH OF ROOTSファミリーが一丸となってね。ワンファミリー感がすごかった。
KON RYU:やっぱりツアーで面白いのは同じセット、同じ曲順を3回やるみたいな感じなんですよ。だからMCだったりとか、いろんなものが磨かれていくっていうのがあって。
一緒にJAH WORKSのOGAも3ヶ所回ってくれたんですけど、OGAちゃんも3ヶ所大切なメッセージは絶対にバシッと決めるみたいな。それがファミリーたちにめちゃめちゃ伝わってました。 そういうメッセージが詰まったツアーだったんです。
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