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●アルバムタイトルが「LOVE IS THE ANSWER」。このタイトルにした経緯を教えてください。

KON KEN:これはね、RYUが決めたタイトルなんですよね。それまでは「YOUTH OF ROOTS」っていうバンド名そのままのタイトルにしようと思っていたんです。でも、曲が全部出揃って、全体が見渡せるようになって、その時にRYUが「LOVE IS THE ANSWER」だと感じたんです。

KON RYU:曲が全部出揃ったときに、テーマが浮かび上がってきたっていう感じでしたね。


●先行シングル曲はなく、リマスターの「Jamaican Daughter」以外、すべてが新録曲でしたが、新曲で構成した背景に意図はありますか?

KON KEN:新しい曲を出したいという思いが強かったですね。これまで出したものを寄せ集めてバリュー感を出すっていうアイディアもあったけど、ベスト盤にするのはまだ早いかなと考えていました。だから新しい曲をどんどん出していくのが自然な答えでした。
リリースしていなかった曲を形にした感じです。RYUが単身で2年前、3年前にジャマイカに居た時に作った「Revelation」や、JICAに頼まれて青年海外協力隊のビデオ用に書き下ろした「ONE PEOPLE」など、そういった曲もアレンジを変えて入れました。


収録曲について

●アルバムに収録されている曲について教えてください。まずは1曲目の「Deliverman」から。
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KON RYU:日本でデモトラックを作って行って、Squidly Coleの100Studioで、Flabba HoltとSquidly Coleと一緒にスタジオ入ってベーシックトラックを録音しました。Squidlyがエンジニアを担当して、その後、日本でオーバーダビングして完成させました。(SquidlyはMelody Makersなど、マーリーファミリーのバッキングドラマーとして活動。Flabba Holdは言わずと知れたRoots Radicsのベーシスト)


●1曲目にした理由は?

KON KEN:曲順は作っているときには特に考えていなくて、最後にミキシングが終わった後に、iTunesにプレイリストを作って聴きながら順番を決めました。アルバムのタイトルともリンクしていて、「届けに行くよ」っていうメッセージがあるので、最初にふさわしいなと思いました。


●2曲目の「One People」について教えてください。

KON RYU:この曲はJICA青年海外協力隊からオファーをもらって作った曲です。JICAは世界各地に日本人を派遣して、さまざまな協力・支援を行っています。例えば、僕が通っていたジャマイカの大学でも、クーラーはJICAが提供してくれたり、日本人の音楽の先生が派遣されていたりしました。


日本に帰国した後、ジャマイカで出会ったJICAの先生と一緒にJICAの教材映像に出演することになり、そのオファーを受けて書き下ろした曲が「One People」です。その映像は、「花」をテーマにしていて、日本の花が海外に行ったり、海外の花が日本に入ってきたりする過程を学ぶ教材として使われました。だから「咲き誇る花たち」というリリックが入っています。


●3曲目の「Reggae Music Haffi Play feat. Papa U-Gee, Jr.Dee, Yuten, NANJAMAN」についてお聞かせください。特に、Yutenさんの起用が気になりました。

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KON RYU:Yutenに出会ったのは最近です。「Strawberry Girl」をライブでカバーしている15歳の子がいるって話を前から聞いていて、1年ほど前に顔を合わせました。その時に一緒にラバダブしてオリジナル曲のフローが良かったので誘いました。彼の親もレゲエシンガーだったりして、共に歌っていく仲間に出会ったと思いました。最近は仲良くしていて、今は18歳かな。


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KON KEN: ジャマイカのレゲエダンスでは、若い人から年配の方まで、世代を超えて楽しんでいる姿をよく見ました。ジェネレーションギャップがないんですよね。そういったところも、この曲のメンバーに反映されています。 ベテランのアーティストたちと若いYuten、RYUも一緒に混ざり合って、現場でファンが楽しむことで、ジャマイカで見た光景が実現するんじゃないかと思っています。


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●Papa U-GeeさんからJr Deeさんへのバトンタッチの場面が好きです。

KON KEN:あれは口ディレイ。自分でマイクから遠ざかっていくんです(笑)、「ドンドンパンパン・・・」って。

KON RYU:「それいいね!」ってなったよね

KON KEN:さすがでした。職人技。Big Up Yaizu Crew, Yaizu Family。


●4曲目の「Revelation feat Micah Shemaiah」については?マイカ・シェマイアは来日もしてましたよね。

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KON RYU:そうですね。来日する前にこの曲は作っていました。ジャマイカにいたときに彼と繋がりができて、この曲にワンバースを入れてくれないかと頼んで、一緒にブリッジ部分も作りました。

その繋がりができたのは、ジャマイカのBull Bayにある「Jamnesia」というサーフキャンプで、そこはジャマイカサーフ協会の会長であり、Mystic RevealersのボーカリストでもあるBillie Wilmotさんが運営しています。そこには多くのミュージシャンが集まり、隔週土曜日の夜には新人アーティストの歌謡ショーが生バンドで行われています。CHRONIXXやPROTOJE、LILA IKE、JAH9もそこで修行していたんです。

その場所を紹介してもらって通うようになり、そこでマイカ・シェマイアと出会いました。歌詞はビリーさんの息子でギタリストのアイニレック・ウィルモットと一緒に書きました。

ちなみに「Revelation」というタイトルは、新約聖書の最後の聖典である「ヨハネの黙示録」の英語名です。ハイレ・セラシエの存在が明記されている箇所もあり、そのテーマを反映した曲になっています。


●5曲目の「Like di Emperor feat. Israel Voice」については?

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この曲もマイカ・シェマイアとの曲と同じく、ジャマイカで作ったものです。3年ほど前に友達と2ヶ月間ジャマイカに旅行したときにできた曲なんです。俺がギターを弾いて、Israel Voiceが歌って、「それいいね!」って感じで曲ができました。

そのときはキングストンのアイシャハウスに泊まっていて、そこにはルーツラディックスのベーシスト、フラバ・ホルトも住んでいて、彼と仲良くなり、デニス・ブラウンのリミックスを作るために、無償でクリックを作る仕事を頼まれました。

その仕事をしていたら、フラバがベースラインをくれて、それが「Like Di Emperor」のベースラインになりました。セッションみたいにして曲が出来上がったんです。すごいガイダンスでしたね。さらに、そのときフラバはタンバリンも入れてくれました。


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●6曲目の「RED -Reggae Every Day- (feat. Kumar)」については?Kumarは元Raging Fyahのメンバーですよね。

KON KEN:そうです。今はソロアーティストとして活動していて、バックバンドのOriginal Fyahには元Raging FyahのAnthoyとDemarが参加していて、Raging Fyahの曲を今でも演奏しています。

この曲は、去年Kumarが「日本に来たい」と言ってくれて、僕らと一緒にツアーをする話があったんですが、条件が厳しくて実現しませんでした。現行のルーツミュージックが日本のレゲエシーンにまだ広まっていない部分があったからです。でも、僕らはRaging Fyahの大ファンなので、どうしても一緒にツアーをやりたいと思って、そこで「もっとルーツレゲエを広めるために、曲を一緒に作ろう」ということになりました。

ジャマイカで4つのトラックを作り、Kumarに聞かせたところ、最後の曲で彼が即興でサビとバースを作り上げました。その場で「REDでReggae Every Dayだ」というタイトルが生まれました。日本語のリリックは日本に帰ってきてから作り、オーバーダビングで録音しました。Anthony(ドラム)とDemar(キーボード)が録ってくれました。最高ですね。Big Up Original Fyah, Raging Fyah。


7曲目の「Wild & Free」について教えてください。個人的にはこの曲が一番好きかもしれません。ルーツバンドでスカも珍しいですし、ライブで演奏されると一気に空気が変わって、皆が踊り出す感じがします。

KON KEN:あのBPMはちょっとEDMにも近いし、みんなが踊るテンポなんですよ。結構イージーに踊れるテンポなので、そこがSKAの魅力ですね。これはRYUが曲を書いてきたんです。

KON RYU:でも、マイナーSKAをやろうって言い出したのはKENTAROです。

KENTARO:そうだね。イメージとしていたのものとは全く違うものができたけどね。

KON RYU:それも面白かったよね。


●8曲目の「Jamaican Daughter (2024 Remaster)」について教えてください

KON KEN:オリジナルのバージョンでは、Medzのバージョンがダンスホールで広まっていて、映えるミックスがされていて、すごく好まれていました。この曲はすごくいいし、思い出深い曲なので、やっぱりバンドとして、自分たちのトラックでやりたいなっていう気持ちがあって、もう一度録音しました。

KON RYU:Big Up Medz!


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●9曲目の「Port Antonio」について教えてください。

KON RYU:この曲は遠距離恋愛の話です。2016年に「Theme of Youth of Roots」や「Reggae Man」を録るためにジャマイカに行ったとき、その帰りにニューヨークのブロンクスで、WACKIESのジェリーハリスさんとROYAL KHAOZのメンバーとこの曲を録音しました。ニューヨークで彼らとスタジオに入ることが決まっていたので、その前にジャマイカでこの曲を書き上げました。ポートアントニオやオーチョリオスの景色を見ながら曲を作りました。その後、ニューヨークで録音したんですが、出来に納得いかず歌を取り直したいという気持ちが強くなって、2022年に再録しました。遠距離恋愛のバイブスをもっと入れたくて、ジャマイカで録音しました。


KON KEN:ポートアントニオは、僕が若い頃に訪れた青春時代の思い出の町です。RYUと一緒に旅行に行ったときも、宿の人たちのところを訪ねて、車で帰る途中の光景とか、その思い出がリリックスに込められています。


●10曲目の「Everything Good」について教えてください。

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KON RYU:THE COMPOUNDで、ジャマイカの今の若手のミュージシャンたちと一緒にレコーディングしました。

今回の旅を思い出すような曲で、そのときの心境が反映されています。このセッションも素晴らしい経験でした。メンバーもすごくて、ケニール(今夏:BUJU BANTONのドラマー)や、オニール(今夏:KABAKA PYRAMIDのキーボーディスト)、ナムディ(元CHRONIXXのZINC FENCE REDEMPTIONのギターリスト)などが参加してくれました。ジャマイカのミュージシャンはほぼ皆一発録りでレコーディングするので、そのレベルの高さを間近で感じることができました。


KON KEN:バンドで行って、スタジオに入って、ミュージシャンたちの動きや雰囲気、息遣いを感じることができたのは、本当に勉強になりました。ジャマイカのベースや演奏スタイルを学ぶための「修行」のようなものでしたね。フレーズも一発で決まって、観ていて本当に良い経験になりました。あっちに行かないと観れないものなので、貴重な体験でした。


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●最後の曲「川の流れ」について教えてください。

KON RYU:そうですね、この曲は宿でみんなで作った曲です。チャンティングやメディテーションをしながら、自然に生まれたんです。

宿には食事をする部屋があって、そこから中庭に出るところでミーティングをしていたときに、「Heartbeatの曲が欲しいね」って話になって、KON KENがメロディを出してきました。「このメロディで行こう」って感じで、「テ〜テ〜テテテテテテ〜テ」って。僕はそのメロディーにどんな言葉をはめようかと考えながら、みんなで遊びながら作りました。
ほんの2日くらいで自然と曲が出来上がりました。


●急に曲作りが始まるんですね。

KON KEN:こういう曲は、インスピレーションが来たときにしかできないんですよね。ビジョンがパッと降りてきたときに、それがスっとインプットされて、アウトプットできるという感じです。

KON RYU:そうだね。リリックは皆と相談して完成させました。

KON KEN:すごく人気のある曲なんですよ。


今後の展望

●今後の展望について教えてください。


KON KEN:バンドの活動ではないんだけど、レゲエミュージックにのって、みんながステップを踊れるダンスイベントを企画したいと思っています。僕自身、踊るのが好きなんですが、酒場やダンスの場でも、踊っている人が少ないんですよね。みんなで一緒に踊るのが楽しいと思うんです。

南アフリカの「Kebra Ethiopia Sound System」のラインダンスや、Kingston Dub Clubなどでは、まるで盆踊りみたいなんです。ステップをレクチャーしながら段階を経て、みんなが踊れる場所を作りたいんです。

最終的にはサウンドシステムを入れて大会にして、みんなが習ったステップを披露する場にしたいですね。ヒップホップのダンスチームが多いですが、それをレゲエ版にして、盆踊り的な感じでみんなで楽しく踊れる場を作りたいです。協力してくれる人たちにも声をかけ始めています。
ルーツのカルチャーをダンスを通じて楽しみながら広めたいです。メッセージも伝わると思います。サウンドとメディテーションができる場所を共有するのが理想です。


KON RYU:それを見越してステップを踏みやすいダブのトラックを作るなど、アイディア出しやレコーディングを始めています。メンバーみんなも「やりたい」と言っているので、早く現実化したいですね。


●海外でも聞かれているようですね。

KON KEN:そうなんです。アジア、南米でもチャートに上がっていたり、ハワイ、カナダで「Strawberry Girl」が人気になったり、チェコでは「Step Outta Babylonia」が一位になったりしています。ワールドワイドに聴かれているのは、やっぱりストレートにレゲエをやっているからだと思います。レゲエのパワーですね。

KON RYU:将来的には、日本だけでなく、海外でもライブをやりたいと思っています。


ファンへのメッセージ

KENTARO:ワンマンライブで回れなかったところにも、これから日本全国へ届けていけたらと思います。

KON RYU:いつもサポートしてくれている方々に感謝しています。これからもレゲエミュージックを届けに行きますので、よろしくお願いします。

KIWAMU:まだ僕のことを知らない人も多いと思いますが、YOUTH OF ROOTSのメッセージが今の時代に必要だと感じています。ROOTSの音楽は、人間の本来の在り方に立ち返るものだと思うので、そのメッセージがさらに深まっていければいいなと思います。

SATOSHI:YOUTH OF ROOTSの曲は、自分が大好きな曲ばかりなので、長くたくさん聴いてもらえれば嬉しいです。

KON KEN:日々未来は来続けています。皆さんが幸せであることを心から願っています。それが大きなワンラブにつながっていくことを願っています。強い気持ちで愛を持って、平和を祈りましょう。ワンラブ、ジャーラスタファーライ。


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