世界で一番大きなレゲエフェス"SUMFEST "は今年で31周年。
今年も1週間の間、開催地のモンテゴベイの街はSUMFEST渋滞も起こし、世界中から来たレゲエファンで埋め尽くした。メインの2日間のステージショーはレゲエ、ダンスホール、R&Bを代表する人気アーティスト達の豪華なパフォーマンスで観客を魅了し、ジャマイカの音楽シーンを彩り、忘れることのできない音楽体験を経験した。日本人としてはBadgyal Marie率いるNororious soundがサウンドクラッシュで優勝というとにかくめでたいSUMFESTとなった。
text and pics OKAMAI(https://www.instagram.com/okamai_ja/)
Sumfestってなに?って人はまずこちらから(https://sd.reggaezion.jp/articles/sumfestsooncome)
2023年のSumfest記事はこちら(https://sd.reggaezion.jp/articles/20230806_sumfest)

今年はカテゴリー5のハリケーンがジャマイカに上陸、モンテゴベイは電気も水もすぐ復興しつつも開催前にはSUMFESTチームが例年以上に大規模にビーチクリーンを行った。
今年のメインスポンサーとなったカリビアンエアーはSUMFEST便としてロゴ入りの便をトリニダッドから運行、モンテゴベイについてホテルの送迎、そして会場へと乗客を導引した。


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水曜日に開催されたSUMFEST GLOBAL SOUND CLASHはジャマイカからcode red,Body guard,スーダンからdynamq,ドイツからwarrior 、日本代表として日本×ジャマイカの夫婦デュオNotorious sound と錚々たる面々が参戦。終始盛り上げてたが、最後のTune fi tuneで逆転をしたNotorious soundの勢いが観客をより熱くさせた。

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ジャマイカにやってきて15年、夫婦でサウンドをし、Badgyal Marieとして個人でもジャマイカ内で活躍するMarieの優勝はみんなの心に残り数々の取材もSUMFEST期間に受けていたのも印象的。


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木曜に行われたSUMFESTのJamaica Rum festival /Blitz イベントは夕方降った雨で足元が泥沼化しつつもたくさんの来客、そしてオーケストラでBeenie manがパフォームというレアなステージとMajor Lazorのwalshy fireは盛り上がりを見せた。

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とうとうやってきました。SUMFEST night1会場。チケットごとに整備されてる列に並び、荷物検査をして入場。

10.jpeg足元が泥だらけなためスニーカーにビニールを被せてる人もちらほら。

11.jpegフードブースも盛りだくさん。ジャマイカ料理からピザ屋まで幅広く出店。

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各スポンサーのブースではゲームで賞品がもらえたり、試食、試飲、映えスポットがあったりと楽しめる。

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今年嬉しかった配布品はRed stripeの保冷カップ。

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人気急上昇中のダンスホール・アーティスト、Armaniが、この夏の曲 と呼ばれるヒット・シングル”Hard” で盛り上げた。メディアテントでウェインマーシャル、タミチン夫妻司会のインタビューを受けていた。

17.jpegMunga

去年同様出演のRich and rich のPablo YG とMalie Donの後、ギャングスタラスMungaが5年間ぶりに出演。"bad from mi born"など古めビッグチューンから"Nah mad"のエネルギッシュなステージでカムバックを果たした。

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YG marley

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Zion Marley

bob marley の写真がステージ後方画面に映し出され極太のスプリフをゆっくり吸いながらMCのYG MARLEY!という声とともにステージに登場。"Meant to Be"や"Survival"などオリジナル曲のパフォーマンスで幕を開け、長男のZion Marleyもステージで一曲披露。そしてダンスホールアーティストのJahshiiもステージにあげた。

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そして何よりもローリン・ヒルのサプライズ登場は、この夜の記念すべき瞬間だった。当初は出演が予定されていなかったがステージに登場し会場を歓喜の渦に巻き込んだ。”Ex-Factor ”、56ホープロード、キングストンでレコーディングした名曲”Lost Ones”といったソロのヒット曲や、”Killing Me Softly ””Ready or Not ”といったフージーズの名曲を披露で大喝采を浴びた。ブブセラの鳴り止まぬままYG marleyの”Praise Jah in the Moonlight”を披露、会場中大合唱で彼の母親ローリンヒルとの特別なコラボレーションは歴史的瞬間サプライズだった。即興アカペラで2人で歌った"Turn Your Lights Down Low"で鳴り止まぬ大歓声の中幕を閉じた。

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余韻の残る中エネルギッシュなダンサーたちがステージで踊り,スポンサーでもあるMagnumの25 周年を祝うとともにVoice mail,Ding dongと新旧のダンスホールアーティストもサプライズで出演し盛り上げた。

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キングストンのゲットー、シービュー出身のアーティストDexta Dapsの登場で観客の女性が大歓声をあげステージ近くのフェンス越しに押しかけた。"7 Eleven"、"Breaking News"、"Owner"などの曲で女性を魅了し、"miss you ”"shabba mother pot""leader"で男性ファンもロック。大歓声の中 "call me if"で幕を閉じた。

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バイブス満タンでステージに現れたファッショナブルなAidoniaはbad man tuneから聖歌隊とのエモーショナルなパフォーマンスで観客の心を掴み、フェンスをよじ登り観客と戯れ、ギャルチューンで女子を踊らし、Govanaも登場。ステージのライト、グラフィックも迫力があった。多彩だからこそできる説得力のある盛りだくさんなステージでダンスホールナイトでのベストパフォーマーとの声が多かった。

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アカペラで"A Change is gonna come "で登場、開催地モンテゴベイ出身のTeejay,息子のJade やニューアーティストのNhance,Driftのインパクト大の振り付け師ダンサーのギャビドンに賛辞を送った。
turbluenceが出てきた朝5時半ごろ、持ち時間が15分という短い時間だが、さすがベテラン、Notoriousからフリースタイルで観客を沸かし、"Ex girl friend","Want a natty""name and number"でクィック&スパイシーな完璧なショーだった。

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ファイヤーマンCapletonの登場で、長丁場のフェスで疲れているはずの観客に瞬殺で火がつきボルテージ最高潮、会場全員ジャンプした光景は圧巻。レッド・ストライプから”生きる伝説賞”を受賞し表彰時に奥さんも一緒に賞を受け取ったのもよかった。『何があっても自分らしくいろ。自分自身を知れ。どこからきてどこに行くのか。決してリミットを作るな。ゆっくり自分を知れ。神様に自分のことを問うなら、神様は自分の中にある。天国に行きたいのか?天国は自分の中にある。地獄も。幸せは選択できる。」最初から最後まで熱い燃えてるキングでした。
kraff,Jada kingdom,Valiant (会場にはいた)は残念ながらパフォームしなかったが終始ボルテージ最高潮のSumfest Night1だった。

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Sumfest night2 ,日本に3月に来日したのが記憶に新しいChristopher ellisが日本でショーを見たことある人なら理解できると思うが"Here we are"から始まり父親Alton ellisのヒットカタログも披露、会場合唱、ブブセラが鳴り響き、高得点でSumfestデビューを果たした。

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Samory I。シークレットゲストでラムの会社Wray and nephewのDub wiseセットでの登場に喜んだファンも多かったはず。


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Sevanaが" bit too shy"からは、かけ離れたアップテンポなカーテル曲でセクシーに踊り最後は”nobody man"という彼女の成長が垣間見れたセット内容だった。抜群な歌唱力に圧倒された人も多いはず。

ルーツロックレゲエアーティストのRas I の"king man thing"の後お待ちかねの人気急上昇のNigy boyがエイリアンのような衣装で特大のロボットと共に登場。


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Nigy boyは盲目というハンデを負いながらもアメリカの大学を卒業し、学士号を取得するという快挙を達成。しかも出身はモンテゴベイの超ゲットーのフランカだ。
犯罪や暴力で有名なエリアだが実はこのエリアから多くの才能あるエンターテイナーが生まれている。Nigy Boy, Jah cure,Tommy Lee , ダンサーのMarvin , the Merital Familyなどだ。
前にSumfestに母親と来て楽しんでた少年が今は堂々とステージで立って歌って盛り上げている姿に観客は心を掴まれっぱなしだった。大合唱だった"Judgement"、"continent"。 拍手喝采のステージだった。
パフォームの後モンテゴベイの市長が特別賞を授与した。
新しい世代の今後期待のビッグアーティストだ。

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誰もが待ち侘びたBeres Hammondの登場で会場全員椅子から立ち上がった。まず第一声が「ジャマイカ!!!ジャマイカー!僕らはブランドなんだ!」と"rise and shine"からスタート。そして毎回恒例の「Familyyyy」とベレスが叫び歓声が起こる。「さあ思い出を振り返るよ」と"grovy little things"temped to touch"会場が大合唱団となる。"i wish you could stay longer"「ここまでたどりつくとは思わなかった。みんなのエナジーに感謝してる。このような会議があと何回できるかわからないんだ。僕は会議と呼んでいるんだ。だって。。もっと沢山あればいいけど。僕はステージに上がるたびに毎回ベストを見せようとしてきたんだ」と意味深なトーク。いつもより短い45分のセットリスト内にヒットカタログを盛り込んで披露。水を飲んで「乾杯!俺が奢るよ!」など時折ジョークも入れながら"fall in love over again"ではBujuのモノマネで沸かす。"one step ahead"では「これが一番最初のヒット曲だ。そして次に出したのは」と"yes I'm in love with you"を思い出と混ぜながら音楽の旅がステージ上で目まぐるしく繰り広げられた上質のパフォーマンス。椅子に座っての"no disturb sign"rock away"では「ダンスも音楽の良き時代、アルトンエリス、ケンブースなどがかかってた。その時代のアーティストに感謝してる」とバックスクリーンに映し出さされた数々の他界したレジェンドアーティストの写真が流れて感動の嵐に。最後まで「ジャマイカはブランドなんだ」とジャマイカ人のモチベーションを上げさせる強いメッセージでステージを去った、みんなから愛されている国宝級アーティストの音楽の力をしっかりと感じた上質の最高なショーだった。

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お待ちかねのBaby face のショーの前にステージの最前列に唯一入れたメディアもステージ前から出され、Sumfestのオフィシャルyoutube liveも中断、それどころかバックステージにいる関係者は控室のテントから出れず、いっさいの本人接触を遮断された。65歳のアメリカのシンガーソングライター、プロデューサー、13回のグラミー賞受賞者でもあるBaby faceは2:40にステージ上に現れ一曲目"every night i close my eyes"と同時に観客のボルテージは早くも上がり"Cool in You"、"Never Keeping Secrets"、"Two Occasions"と大合唱、本人が書いた曲、プロデュースした曲をメドレーでテンポよく披露、45歳以上の女性は全員歌って踊って当時を思い出しつつ酔いしれた夢のひとときとなった。
ただ、会場にいる人しかパフォーマンスを見れず数万人の失望したyoutube ライブ視聴者からは非難され賛否両論となったが会場に来た人だけのスペシャルな時間だったことは間違いない。
その後Dyaniがセクシーなポールダンサーを踊らせたり、バスタブの中でセクシーな女性と絡んでパフォームしたりと会場をまた違った空気感に変えた。久しぶりのNorris manの後、トリはLucianoの神聖な空気でSumfest2024は沢山の忘れられないパフォーマンスとエナジーの余韻を残しつつ世界一の素晴らしいレゲエフェスは幕を閉じた。

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サウンドクラッシュで優勝したNotorious Sound と。